
2025.09.13
飲んだ後にラーメンが食べたくなるのはなぜ?「締め」のメカニズムとヘルシーな選び方
働く人と食の健康
栄養の基本

飲み会の帰りに「どうしてもラーメンが食べたい」と思った経験、ありませんか?
それは単なる気のせいではなく、体の仕組みからくる自然な反応です。ここではその理由と、翌日に後悔しないための工夫を紹介します。
なぜ「締め」が欲しくなる?3つの理由
お酒を飲んだあとに炭水化物を欲するのは、いくつかの生理的な理由が組み合わさって起きています。
1. アルコールが血糖値を下げるから
アルコールを摂取すると、肝臓はアルコール分解を優先し、血糖を作る機能(糖新生)が抑制されます。結果、血糖値が下がり、脳は「エネルギー不足」と判断。糖質を欲するようになるのです。
2. 糖質は“即効性のあるエネルギー源”
ごはん・麺類などの炭水化物は、血糖値を手っ取り早く上げられる代表格。締めにラーメンやおにぎりが選ばれるのは、体が無意識に「効率の良い糖」を求めている証拠です。
3. アルコールによる“食欲増進”作用
お酒には満腹ホルモン(レプチン)の分泌を抑える作用があります。そのため、お腹が空いていなくても「何か食べたい」という感覚が強まるのです。
深夜ラーメンが招く“翌日後悔”のワケ
美味しいけれど、その一杯が翌日の不調につながることも。体に起こる変化を知っておきましょう。
カロリーの二重取り
ビールやワインなどのアルコールは1gあたり約7kcal。さらにラーメン1杯で500〜700kcalともなれば、食事2回分のエネルギーになることも。
むくみ・胃もたれ・睡眠の質低下
アルコールによる利尿作用で脱水気味なところに、塩分たっぷりのラーメンを追加すると、体は水分をため込もうとし、翌朝むくみが出やすくなります。また、消化に時間がかかる締めは睡眠の質にも影響します。
“締め欲”を上手にコントロールするコツ
食べたくなる気持ちをゼロにするのは難しいもの。そこで、飲み方や締め方を少し工夫してみましょう。
✔ 飲み始めにたんぱく質を摂る
枝豆や刺身などを最初に食べると、血糖値の乱高下を防ぎやすくなります。
✔ お酒は薄めて、チェイサーを忘れずに
水や炭酸水を挟むことで、アルコール代謝を助け、脱水や塩分欲を抑えられます。
✔ 量と選び方に注意する
食べるなら「少量」「あっさりめ」で。シェアするのもおすすめです。
ヘルシーな締めの選び方
「どうしても食べたい」そんな時に選びたい、体にやさしい締めをご紹介します。
◎ お茶漬け(ごはん少なめ+出汁)
旨味で満足感を得やすく、食べすぎを防げます。
◎ 冷やしうどん+ねぎ・大根おろし
さっぱりして消化も良く、翌日に響きにくい組み合わせです。
◎ ラーメンはシンプル系を選ぶ
塩や醤油ベースに具材少なめで、スープは残すことがポイントです。
知っていれば怖くない“締め欲”の正体
飲み会後の「締めが食べたい!」という気持ちは、血糖値の低下とホルモンバランスの変化による自然な反応です。体のサインを理解しつつ、少しの工夫で美味しく・ヘルシーに楽しみましょう。