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2025.09.19

魚をもっと手軽に。毎日の食卓に取り入れるコツと実践アイデア

調理と保存のコツ

魚をもっと手軽に。毎日の食卓に取り入れるコツと実践アイデア

仕事から帰って冷蔵庫を開けたものの、魚は下処理が面倒で手が伸びない。週末にまとめ買いしても、結局使いきれずに傷んでしまう。子どもが骨を嫌がるから、つい肉料理ばかりになってしまう──。

「魚は体に良い」とわかっていても、日々の食卓に取り入れるのは意外と難しいですよね。

でも実は、ちょっとした工夫で、魚料理のハードルはぐっと下がります。今回は、管理栄養士の視点から、魚を無理なく習慣化するためのポイントをお伝えします。

なぜ今、魚を食べる意識が大切なのか

魚には、肉とは異なるかたちで健康維持に役立つ栄養素がバランスよく含まれています。

代表的なのが、EPA・DHAといった必須脂肪酸。体内で合成できないため、食事から摂る必要があります。血管のしなやかさを保ち、脳の働きを守るほか、生活習慣病予防にも期待される成分です。さらにビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の健康を支えます。良質なたんぱく質源としても魚は優れています。

ところが、日本人の魚介類摂取量は年々減少しています。水産庁の調査によると、2001年度には1人あたり約40.2kgだった消費量が、2023年度にはおよそ21.4kgまで低下。この20年あまりで、ほぼ半分にまで減っているのが現状です(※1)。

魚は日本の食文化を支えてきた食材ですが、今では「意識して食べないと不足しやすい食品」になりつつあります。だからこそ、日常の中で無理なく続けられる仕組みづくりが大切です。

魚料理のハードルを下げる考え方

「魚は手間がかかる」というイメージを持つ方は多いですが、選び方と調理法を工夫するだけで、肉料理と変わらない手軽さで取り入れられます。

まずは「切り身」や「骨なし」からスタートする

内臓処理のいらない切り身や、骨取り済みの冷凍魚を使えば、下ごしらえも後片付けもぐっとラクになります。スーパーの鮮魚コーナーで「三枚おろしまでお願いします」と頼んでおけば、家では塩をふるだけ。翌朝の焼き魚が3分で完成します。

子どもが骨を嫌がる場合は、骨取り済みの冷凍魚が強い味方。解凍せずにそのまま焼けるものも多く、朝の忙しい時間にも重宝します。

まとめ調理で「あと一品」に悩まない

魚は下味をつけて焼いておくと、冷蔵で3日、冷凍なら2週間ほど保存できます。塩麹・味噌・カレー粉などで味付けして一気に焼いておけば、忙しい日も電子レンジで温めるだけ

焼き魚が余ったら、ほぐしてチャーハンやおにぎりにアレンジするのもおすすめです。「魚を焼いたら、その週のうちに使い切る」というルールを決めておくと、献立に悩む時間が減ります。

レパートリーは「魚種を選ばない定番レシピ」でまわす

「照り焼き」「南蛮漬け」「ムニエル」などは、どんな魚にも応用できる万能メニュー。サバやタラ、鮭など身近な魚でローテーションしながら、味のバリエーションを楽しめば、飽きずに続けられます。

新しいレシピを毎回探すのではなく、「いつもの味付け × 今日の魚」という組み合わせで考えると、買い物の判断もスムーズになります。

今日から実践できる魚活用アイデア

具体的な取り入れ方をいくつかご紹介します。ライフスタイルに合うものから、まずひとつ試してみてください。

刺身用のサクを数日かけて使う:月曜日に購入し、その日は刺身で。火曜は漬け丼、水曜は炒め物にアレンジ。鮮度を見ながら、生から加熱へと段階的に使い切るのがコツです。

缶詰・瓶詰を常備する:「さば缶」「ツナ缶」「鮭フレーク」を置いておくと、味噌汁・スープ・サラダにさっと足せます。さば缶の煮汁には栄養が溶け出しているので、汁ごと使うのがおすすめです。

冷凍魚を朝食に活用する:骨取り冷凍魚は解凍不要でそのまま焼けるものが多く、朝の時短に最適。前日から冷蔵庫に移しておけば、さらに調理時間が短くなります。

油と組み合わせてビタミンDの吸収を高める:ビタミンDは脂溶性なので、油と一緒に摂ると吸収率がアップ。オリーブオイルやごま油でさっと炒めるのもおすすめです。

魚を選ぶときに知っておきたいこと

新鮮さの見分け方:切り身なら血合いが鮮やかなもの、丸魚なら目が澄んでいるものを選びましょう。パックに水分が溜まっていないことも鮮度の目安になります。

妊娠中の方への注意点:大型のマグロやメカジキなどは水銀濃度が比較的高いため、妊娠中は摂取量に注意が必要です。厚生労働省は「週1回程度まで」を目安としています(※2)。サケやサバ、アジなどは特に制限なく食べられます。

塩分が気になる場合の工夫:味噌漬けや粕漬けは塩分が多くなりがち。ハーブやレモン、オリーブオイルを使えば、香りを活かしながら塩分を抑えられます。

魚こそ、実は時短食材

「魚料理は手間がかかる」と思われがちですが、実際には火の通りが早く、シンプルな調理でもおいしく仕上がります。下処理いらずの食材を選び、ストックを上手に活用し、味付けのバリエーションを持っておく。この3つを意識するだけで、魚は「ラクして栄養をとれる」時短食材に変わります。

手間をかけずにバランスの良い食卓を整えたい方こそ、今日の買い物から「魚習慣」を始めてみませんか。

参考

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この記事の監修者

管理栄養士・料理家

ひろのさおり

お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。