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2025.08.29

ゆで卵の殻がきれいにむけない理由と、今日から試せる簡単テクニック

調理と保存のコツ

ゆで卵の殻がきれいにむけない理由と、今日から試せる簡単テクニック

お弁当のおかずに、サラダのトッピングに、ラーメンの煮卵に。ゆで卵は毎日の食卓で活躍する定番食材ですよね。

ところが、いざ殻をむこうとすると白身がボロボロになってしまう……そんな経験はありませんか。せっかくのゆで卵が、見るも無残な姿になってしまうと、朝からちょっとがっかりしてしまいます。

実は、殻がきれいにむけるかどうかは運任せではありません。卵の状態とちょっとした扱い方で、仕上がりは大きく変わります。

この記事では、殻がむきにくくなる科学的な理由と、今日から実践できる簡単なテクニックを、管理栄養士の視点からお伝えします。

新鮮な卵ほど、殻がむきにくい理由

「新鮮な卵のほうがおいしいはず」と思って、買ったばかりの卵でゆで卵を作ると、殻が白身にぴったり張り付いてしまうことがあります。これは卵の内部構造に理由があります。

産みたての卵には、炭酸ガス(二酸化炭素)が多く含まれています。このガスは加熱すると膨張し、白身を殻の内側に押しつけるように働きます。その結果、殻と白身が密着してしまうのです。

さらに、卵の殻の内側には内殻膜と呼ばれる薄い膜があります。この膜と白身が強く結びついていると、殻だけをきれいにはがすことができません。

時間が経つと、卵の中のガスは殻の小さな穴から少しずつ抜けていきます。すると白身がわずかに縮み、膜との間にすき間が生まれます。このすき間こそが、殻がスルッとむける秘密です。

つまり、新鮮な卵ほど殻がむきにくいというのは、自然な仕組み。決して卵の品質が悪いわけではありません。

冷蔵庫で数日おくだけで、むきやすさが変わる

もっとも手軽な方法は、買ってきた卵を冷蔵庫で数日寝かせてから使うことです。

冷蔵庫で3〜5日ほど保存すると、卵の内部のガスが自然に抜けていきます。白身と内殻膜の間にほどよいすき間ができるため、殻がむきやすくなります。

お弁当用にゆで卵をよく作る方は、週末に買った卵を「ゆで卵用」として少し寝かせておくと便利です。新しい卵は目玉焼きや卵焼きに、数日経った卵はゆで卵に、と使い分けると無駄がありません。

ただ、「今日使いたいのに、卵が新しい」という場面もありますよね。そんなときは、次に紹介するテクニックを試してみてください。

新鮮な卵でもOK。おしりにひと穴あけるテクニック

買ったばかりの卵でも、殻をスムーズにむける裏ワザがあります。それが、卵のおしり(鈍端) に小さな穴をあけてからゆでる方法です。

卵をよく見ると、尖った側と丸い側があります。丸い側のおしりには「気室」と呼ばれる空気の部屋があり、ここに針や画びょうで米粒ほどの小さな穴をあけます。

穴をあけることで、加熱中に内部の圧力が逃げやすくなります。すると白身が殻に押しつけられにくくなり、むきやすい状態に仕上がるのです。

穴は小さいため、白身が漏れ出す心配はほとんどありません。100円ショップなどで売っている「卵の穴あけ器」を使えば、さらに手軽です。

穴をあけたら、沸騰したお湯にそっと卵を入れてゆでましょう。半熟なら6〜7分、しっかり固めたいなら10〜12分が目安です。

冷却のタイミングが、仕上がりを左右する

ゆで時間が終わったら、すぐに冷やすことも大切なポイントです。

温かいまま放置すると、白身と膜の密着が続いたまま固まってしまい、殻がはがれにくくなります。加熱が終わったら、すぐに氷水へ移しましょう。

急激な温度変化によって、殻と白身の間に水が入り込みます。さらに薄膜がふやけてはがれやすくなるため、つるんと気持ちよくむけるようになります。

冷水ではなく氷水を使うのがおすすめ。しっかり冷やすことで、“むきやすさ”が格段に変わります。冷却時間は5分以上を目安に、卵の中心まで冷えるまで待ちましょう。

水の中でむくと、さらにきれいに仕上がる

冷却後の殻むきは、水の中で行うとスムーズです。

まず、卵の表面全体に軽くヒビを入れます。手のひらで卵を軽く押しながら転がすと、殻に細かいヒビが入りやすくなります。

ヒビが入ったら、ボウルに張った水の中で殻をむいていきます。水中で作業すると、殻と白身の間に水が入り込み、するりとはがれやすくなります。薄膜が残った場合も、水の中で軽くこすれば自然に落ちます。

この方法なら、白身を傷つけることなく、つやつやのゆで卵に仕上がります。

むいた後の保存と食中毒対策

きれいにむけたゆで卵は、できるだけ早めに食べるのが基本です。殻をむいた状態では、卵の表面が空気に触れて傷みやすくなります。

保存する場合は、清潔な容器に入れて冷蔵庫へ。2日以内を目安に食べ切りましょう。

殻つきのまま保存する場合も、ヒビが入っていると傷みが早くなります。ヒビの入った卵は優先的に使い切るようにしてください。

とくに夏場は食中毒のリスクが高まります。ゆでた後は常温放置を避け、すぐに冷却・冷蔵を徹底することが大切です。お弁当に入れる場合も、しっかり冷ましてから詰めるようにしましょう。

ゆで卵をきれいにむくための3つのポイント

ゆで卵のむきやすさは、鮮度・下準備・冷却の3つの要素で決まります。

まず、可能であれば 数日寝かせた卵を使うこと。内部のガスが抜けて、白身と膜の間にすき間ができます。

すぐに使いたいときは、おしりに小さな穴をあけること。加熱中の圧力が逃げて、白身が殻に押しつけられにくくなります。

そして、ゆで上がったら すぐに氷水で冷やすこと。急冷することで殻と白身の間に水が入り込み、むきやすくなります。

どれも特別な道具や技術は必要ありません。今日からすぐに試せる、ちょっとした工夫です。

朝の時間が、少し快適になるように

ゆで卵の殻がきれいにむけると、それだけで朝の気分が上がります。お弁当づくりも、サラダの準備も、ストレスなくサクサク進む。

新しい卵はむきにくい。それは自然な仕組みです。でも、穴をあける・冷やすといった小さな工夫で、誰でもスルンと気持ちよくむけるようになります。

明日の朝は、ぜひ試してみてください。きっと、いつもよりちょっと嬉しい朝になるはずです。

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この記事の監修者

管理栄養士・料理家

ひろのさおり

お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。