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2025.10.15

成長期の子どもに必要な栄養素とは?小学生〜高校生を支える食事と間食の整え方

ライフステージ別の食事

成長期の子どもに必要な栄養素とは?小学生〜高校生を支える食事と間食の整え方

「ちゃんと食べているはずなのに、なんだか身長の伸びがゆるやかな気がする」「部活から帰ってきたら、夕飯前にお菓子ばかり食べてしまう」——。小学生から高校生のお子さんを持つ家庭で、こんな悩みを抱えていませんか。

成長期は、体も心もめまぐるしく変化する時期です。身長がぐんと伸び、筋肉や骨が作られ、脳の発達も活発になります。だからこそ、この時期の食事は“量”だけでなく“質”が大切になってきます。

ここでは、管理栄養士の視点から、成長期の子どもに必要な栄養素と、日々の食事や間食で無理なく取り入れる方法をご紹介します。

成長期に栄養が大切な理由

子どもの体は、大人と同じように「維持する」だけではありません。毎日少しずつ新しい細胞を作り、骨を伸ばし、脳のネットワークを広げています

たとえるなら、大人の体が「完成した家のメンテナンス」だとすれば、成長期の体は「建設中のビル」。材料となる栄養素が足りなければ、工事がスムーズに進みません。

特に小学校高学年から高校生にかけては、いわゆる成長スパートの時期。この数年間で身長が10cm以上伸びる子も珍しくありません。エネルギー消費量も大人並み、あるいはそれ以上になります。

だからこそ、「食べているから大丈夫」ではなく、「何を食べているか」に目を向けることが、体づくりの土台になるのです。

成長を支える6つの栄養素

成長期に欠かせない栄養素は、それぞれ違う役割を担っています。どれか一つに偏るのではなく、毎日の食事の中でバランスよく取り入れることがポイントです。

たんぱく質は体をつくる材料

筋肉、内臓、皮膚、髪、ホルモン——体のあらゆる部分はたんぱく質からできています。成長期には、大人以上にたんぱく質が必要です。

肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など、毎食どれか1つは取り入れることを意識してみてください。朝食に卵やヨーグルト、昼食に肉や魚、夕食に豆腐や納豆といった形で、1日を通して分散させると効率よく吸収されます。

カルシウムは将来への骨貯金

骨の材料となるカルシウムは、成長期にしっかり蓄えておきたい栄養素です。骨量は20歳前後でピークを迎え、その後は減少していくといわれています。つまり、今この時期にどれだけ骨に貯金できるかが、将来の骨の健康を左右します。

牛乳やヨーグルトはもちろん、小魚、小松菜、厚揚げなども優秀なカルシウム源。乳製品が苦手なお子さんには、ごまやひじきを料理に加える工夫も効果的です。

鉄は全身に酸素を届ける

鉄は、血液中のヘモグロビンとして全身に酸素を届ける役割を担います。成長期は血液量も増えるため、鉄の需要が高まります。特に女子は月経が始まると鉄不足に陥りやすく、疲れやすさ、集中力の低下、顔色の悪さなどの症状が出ることも。

赤身の肉やレバー、あさり、ほうれん草、大豆製品に多く含まれます。ビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップするので、野菜や果物を添えるのがおすすめです。

ビタミンDがカルシウムの吸収を助ける

せっかくカルシウムを摂っても、ビタミンDが足りないと腸からの吸収がうまくいきません。ビタミンDは、カルシウムを骨に届ける案内役のような存在です。

鮭やしらす、きのこ類に含まれるほか、日光を浴びることで体内でも作られます。部活や外遊びの時間が短い子は、意識的に食事から補いたいところです。

ビタミンB群がエネルギー代謝を支える

炭水化物やたんぱく質をエネルギーに変えるには、ビタミンB群の助けが必要です。また、神経の働きを正常に保つ役割もあり、イライラや集中力の低下を防ぐ意味でも欠かせません。

豚肉、納豆、卵、玄米、葉物野菜などに多く含まれます。白いごはんを時々玄米や雑穀米に置き換えるだけでも、摂取量を増やせます。

炭水化物は脳と体のエネルギー源

成長期の子どもにとって、炭水化物は最も大切なエネルギー源です。脳が使うエネルギーの大部分はブドウ糖。朝ごはんを抜くと、午前中の授業で頭が働きにくくなるのはこのためです。

ごはん、パン、麺類、いも類、果物などを毎食しっかり食べることで、1日を通して安定したエネルギー供給ができます。

朝・昼・夜の食事で意識したいこと

栄養素の働きがわかっても、毎日の献立に落とし込むのは簡単ではありません。完璧を目指すより、「この時間帯は、これだけは意識しよう」というポイントを持っておくと続けやすくなります。

朝ごはんで1日のスイッチを入れる

朝ごはんは、一晩空っぽになった脳と体にエネルギーを届ける大切な食事です。ごはん(またはパン)+たんぱく質+野菜や果物のセットを意識してみてください。

時間がない朝でも、納豆ごはんにミニトマト、卵かけごはんにインスタント味噌汁、チーズトーストにバナナ——こんな組み合わせで十分です。「何か1つでも口に入れる」習慣をつけることが、学校生活のパフォーマンスを支えます。

給食はしっかり食べる。お弁当は彩りで整える

学校給食は栄養士が計算した献立なので、基本的には給食をしっかり食べることが大切です。お弁当の場合は、彩りを意識すると自然と栄養バランスが整います。

赤(トマト、にんじん)、緑(ブロッコリー、ほうれん草)、黄(卵、コーン)、茶(肉、魚)——色が3色以上あれば、たんぱく質・ビタミン・ミネラルがそろいやすくなります。

夕食は体の回復と翌日の準備

成長ホルモンは、主に夜の深い睡眠中に分泌されます。夕食は、寝ている間に体を修復し、翌日に備えるための食事です。

たんぱく質(肉・魚・大豆製品)をメインに、カルシウム源(乳製品・小魚)、野菜をバランスよく。ただし、寝る直前の重い食事は睡眠の質を下げるので、できれば就寝2〜3時間前には食べ終えたいところです。

間食はお菓子ではなく“小さな食事”に

中高生になると、部活や塾で生活リズムが乱れがちです。夕食が遅くなる日も増え、1日3食だけでは必要な栄養を摂りきれないことも。そんな時に頼りになるのが「補食」としての間食です。

栄養価のある間食を選ぶ

スナック菓子やチョコレートでは、エネルギーは補えても体づくりに必要な栄養が足りません。間食を「小さな4食目」と考えて、栄養価のあるものを選びましょう。

たとえば、おにぎり(鮭、ツナ、おかかなど具入り)、ゆで卵とチーズ、バナナとヨーグルト、無塩ナッツ、豆乳、栄養強化バーなど。持ち運びやすく、食べやすいものがポイントです。

夕食に響かないタイミングで

補食を摂るタイミングも大切です。夕食の1〜2時間前に軽く食べると、夕食の量が減ってしまうことがあります。部活終わりや塾に行く前など、なるべく早い時間帯に摂るのがおすすめです。

おにぎり1個、バナナ1本程度の量なら、夕食への影響も少なく済みます。

食習慣は“選ぶ力”を育てる

思春期は、親の目が届きにくくなる時期でもあります。コンビニで何を買うか、友達と何を食べるか、自分で選ぶ機会が増えてきます。

だからこそ、この時期に「自分の体に必要なものを選ぶ力」を少しずつ育てていくことが大切です。

一緒に選ぶ、一緒に作る

献立を考えるとき、買い物に行くとき、お子さんを巻き込んでみてください。「今日は魚にする?肉にする?」「野菜は何がいい?」——小さな選択の積み重ねが、食への関心を育てます。

料理を一緒にするのも効果的です。自分で作った料理は、不思議と食べる意欲が湧くもの。休日の朝ごはんや簡単なおやつ作りから始めてみてはいかがでしょうか。

飲み物は甘くないものを習慣に

ジュースや甘い炭酸飲料が習慣になっていませんか。糖分の摂りすぎは肥満だけでなく、食欲の乱れにもつながります。

水、お茶、無糖の炭酸水など、甘くない飲み物を“当たり前の選択肢”にしておくと、大人になってからも役立つ習慣になります。

気をつけたいこと

成長期の食事で気をつけたいのは、「もっと、もっと」と詰め込みすぎないことです。

どんな栄養素も、摂りすぎは逆効果になることがあります。たとえば、身長を伸ばしたいからといってカルシウムのサプリメントを大量に摂っても、吸収には限界があります。栄養素は相互に助け合って働くので、バランスの良い食事が基本です。

また、極端な食事制限はNGです。特に思春期の女子は体型を気にしがちですが、無理なダイエットは成長を妨げ、将来の骨粗しょう症リスクを高める可能性があります。

毎日の食卓が、子どもの未来をつくる

成長期の食事は、「足りているか」だけでは測れません。どんな栄養が、どんな形で、どんなタイミングで届いているか——そこに目を向けることが、子どもの体づくりを支えます。

とはいえ、毎日完璧な食事を用意するのは難しいもの。「今週は魚が少なかったから、週末は鮭にしよう」「朝ごはんが菓子パンばかりだったから、明日は卵を焼こう」——そんなゆるやかな調整で十分です。

子どもの成長は、毎日の小さな積み重ねから。今日の一皿が、未来の健康につながっています。

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この記事の監修者

管理栄養士・料理家

ひろのさおり

お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。