2025.10.31
料理をおいしくするアク取りの基本と工夫
調理の保存とコツ
煮物やスープの表面に浮かんでくる白い泡や濁り。それが「アク」です。
見た目が気になって取っている人もいれば、そのままにしている人もいるでしょう。実はアクを取り除くことには、味や香り、栄養の吸収にまで関わる理由があります。
アクとは?
アクとは、加熱によって食材からにじみ出る不要成分のこと。肉や魚ではタンパク質や脂肪の一部が、野菜ではシュウ酸などのえぐみや渋み成分が浮き上がります。
これが残ると雑味や濁りの原因になり、せっかくの料理の完成度を下げてしまうのです。
アクを取るとどう変わる?
アク取りの有無で、料理の印象は大きく変わります。
- 余分な雑味や臭みが消え、味がすっきりする
- 透明感が出て、見た目がきれいに仕上がる
- シュウ酸などを減らし、カルシウムの吸収を妨げにくくなる
特に汁物や煮物では、ほんのひと手間で仕上がりが格段に良くなるのです。
肉や魚を煮るときのコツ
肉や魚を煮込むときは、沸騰直後が勝負。強火で一度沸かしたあと、弱火にして表面に浮かんだアクをまとめて取りましょう。
おたまや網じゃくしを水にくぐらせながら使うと、続けて作業しやすくなります。忙しいときは、キッチンペーパーをそっと浮かべて吸い取る方法も実用的です。
野菜・山菜のアク抜き方法まとめ
野菜や山菜は下処理でアクを抜くのが基本。食材ごとに方法が異なります。
| 食材 | 方法 | ポイント |
|---|---|---|
| ほうれん草 | 塩を加えた湯でさっとゆで、冷水にさらす | 鮮やかな緑を保ち、えぐみを除く |
| たけのこ | 米ぬかと唐辛子を入れた湯で下ゆで | 渋みを抑え、風味を引き立てる |
| ワラビ・ゼンマイ | 重曹を加えた熱湯に浸し、一晩置く | 苦味を抜き、食感も柔らかくなる |
道具や小さな工夫で手軽に
アク取りは必ずしも手間のかかる作業ではありません。
市販のアク取りシートを鍋に浮かべておけば自然に吸着してくれますし、ステンレスの網じゃくしを使えば細かい泡もまとめて取れます。
氷水を少し加えると温度差でアクが浮き上がりやすくなるという裏技もあります。
どこまで取るべき?
「全部取らなければならないの?」と迷う人もいるかもしれません。スープや和風煮物のように透明感を大切にしたい料理では丁寧に取り、日常のおかずならほどほどでも十分です。
特にシュウ酸を含むほうれん草やタケノコなどは、下処理でしっかり抜いておきましょう。
アク取りで料理の完成度を高めよう
アク取りは、料理をよりおいしく仕上げるための小さな工夫です。すべてを取り切る必要はありませんが、仕上がりをきれいにしたい料理では丁寧に、普段の料理ではほどほどに。
シーンに合わせて工夫することで、無理なく続けられます。ひと手間で変わる澄んだ味わいを、ぜひ日々の料理で実感してみてください。
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この記事の監修者
管理栄養士・料理家
ひろのさおり
お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。