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2026.01.12

夜遅く食べても太らない。消化と睡眠を守る食事のコツ

働く人と食の健康

夜遅く食べても太らない。消化と睡眠を守る食事のコツ

残業を終えて帰宅すると、もう21時を回っている。お腹は空いているけれど、「こんな時間に食べたら太るかな」「明日の朝、胃がもたれそう」と、つい罪悪感を抱えてしまう。そんな夜が続いている方も多いのではないでしょうか。

ただ、空腹を我慢して眠れなかったり、ストレスを溜めたりするのも体には良くありません。大切なのは、「食べない」ことではなく「何を、どう食べるか」を知っておくこと。

夜遅い食事が体に与える影響は、大きく分けて3つあります。太りやすさ、消化の負担、そして睡眠の質。この3つを理解すれば、遅い時間でも体をいたわる食べ方が見えてきます。

なぜ夜遅いと太りやすいのか

「夜遅く食べると太る」とよく言われますが、これには体内時計が深く関わっています。

体内にはBMAL1(ビーマルワン)というたんぱく質があり、脂肪の蓄積を促す働きをしています。このBMAL1が最も活発になるのは、夜22時頃から深夜2時頃。同じカロリーでも、この時間帯に食べると体脂肪として蓄えられやすくなるのです。

さらに、夜遅くに糖質を多く摂ると血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンが大量に分泌されます。インスリンには余ったエネルギーを脂肪に変える働きがあるため、夜の糖質過多は体重増加に直結しやすいのです。

つまり、夜遅くても太りにくくするには、脂質と糖質を控えめにすることがポイントになります。逆に言えば、食材と量を選べば、夜遅くても必要以上に太ることはないのです。

消化の負担を減らす食べ方

夜は消化機能もお休みモードに向かう時間帯です。消化酵素の分泌は日中がピークで、夜遅くなるほど胃腸の働きはゆるやかになります。

そのため、日中と同じ食事をしても、夜は消化に時間がかかります。胃に食べ物が長く留まると、翌朝の胃もたれや、寝ている間の不快感につながることも。

消化の負担を減らすには、脂質を抑えた食材選びと調理法の工夫が効果的です。

脂質は三大栄養素の中で最も消化に時間がかかります。揚げ物や脂身の多い肉、クリーム系の料理は避け、鶏むね肉、白身魚、豆腐、卵など低脂質のたんぱく源を選びましょう。調理法も、揚げるより蒸す・煮る・ゆでるほうが胃腸にやさしくなります。

野菜は生よりも加熱したほうが消化しやすくなります。温かいスープや味噌汁、煮物にすると、体も温まり一石二鳥です。

睡眠の質を下げない工夫

夜遅い食事は、睡眠にも影響を与えます。

食事をすると体は消化・吸収モードに入りますが、本来夜は休息モードに切り替わる時間。重い食事をとると、体が消化活動を続けることになり、深い睡眠に入りにくくなります。

また、睡眠の質が下がると、食欲を抑えるホルモン(レプチン)が減り、食欲を増すホルモン(グレリン)が増えることがわかっています。つまり、夜の食事で睡眠が乱れると、翌日の食べすぎを招きやすくなるのです。

睡眠を守るためのポイントは3つあります。

まず、食事から就寝まで2〜3時間空けること。難しい場合は、消化の良いものを少量にとどめましょう。

次に、カフェインを避けること。コーヒーや緑茶は覚醒作用があるため、夕方以降はノンカフェインの飲み物を選びます。

そして、アルコールは控えめに。寝酒は一時的に眠気を誘いますが、睡眠の質は下がります。夜遅い食事と一緒に飲むと、消化にも負担がかかります。

食後すぐに横になるのも避けたいところ。消化が滞りやすくなるため、食後は軽くストレッチをしたり、翌日の準備をしたりして、少しでも体を起こしている時間をつくりましょう。

夜遅くても安心な食材と組み合わせ

ここまでの内容を踏まえて、夜遅い食事におすすめの食材を整理します。

たんぱく質は低脂質なものを選びます。豆腐、納豆、卵、鶏むね肉、ささみ、白身魚(タラ、カレイなど)、エビ、イカ。コンビニで手に入るサラダチキンやゆで卵も便利です。

野菜は温かく、やわらかい状態で。キャベツ、白菜、大根、かぶ、にんじんなど、加熱するとやわらかくなるものがおすすめです。きのこ類も低カロリーで食物繊維が豊富なので、スープや味噌汁に加えると満足感が出ます。

主食は少量か、置き換えで調整します。白米を半量にして豆腐やスープで補う、雑炊やおかゆにして水分でかさを増やす、といった工夫が効果的です。

おすすめの組み合わせ例としては、具だくさんの味噌汁+冷奴+ごはん少量、野菜たっぷりの雑炊、コンビニなら「サラダチキン+野菜スープ+ゆで卵」のセットなど。胃腸にやさしく、翌朝も軽やかに目覚めやすい選択肢です。

避けたいもの・気をつけたいこと

夜遅い時間に控えたいものも押さえておきましょう。

脂質の多い食事(揚げ物、脂身の多い肉、クリーム系のパスタやグラタン、ラーメン)は消化に時間がかかり、脂肪にもなりやすい。食べたいときは翌日のランチに回すのがおすすめです。

糖質の単品食べ(菓子パン、カップ麺、丼ものだけ)は血糖値を急上昇させます。どうしても主食が欲しいときは、たんぱく質や野菜と組み合わせ、野菜から先に食べる「ベジファースト」を意識しましょう。

食べ方も大切です。よく噛んでゆっくり食べると消化酵素が働きやすくなり、胃腸の負担が軽くなります。また、量は「満腹」ではなく「空腹が落ち着く程度」を目安に。腹六〜七分目くらいのイメージです。

夜遅くなることがわかっている日は、夕方に軽食(おにぎりやヨーグルトなど)を挟んでおくと、帰宅後のドカ食いを防ぎやすくなります。

「食べない」より「選んで食べる」へ

夜遅い食事は、「我慢する」のではなく「体にやさしいものを選ぶ」という発想に切り替えると、罪悪感がぐっと減ります。

脂質と糖質を控えめにして太りにくく、消化の良いものを選んで胃腸をいたわり、食べ方を工夫して睡眠を守る。この3つを意識するだけで、翌朝の体の軽さが変わってきます。

忙しい毎日の中で、夜遅くなることは避けられないこともあります。そんなときこそ、体をいたわる食べ方を試してみませんか。

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この記事の監修者

管理栄養士・料理家

ひろのさおり

お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。