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2026.01.14

集中力が続かない午後に。間食の選び方で変わること

働く人と食の健康

集中力が続かない午後に。間食の選び方で変わること

会議が続く午後、気づけばパソコンの画面をぼんやり眺めている。資料を読んでいるはずなのに、同じ行を何度も目で追ってしまう。気分転換にコーヒーを買いに行ったつもりが、つい甘いものにも手が伸びて——そんな経験、ありませんか。

忙しい時期ほど、集中力の波は大きくなりがちです。でも、それは意志の問題ではありません。多くの場合、脳へのエネルギー供給や血糖値のバランスが関わっています。

間食というと「太る」「我慢すべきもの」というイメージがあるかもしれません。けれど、選び方を少し変えるだけで、午後のパフォーマンスはずいぶん変わってきます。この記事では、集中力を支える間食の考え方と、今日から使える選び方のコツをお伝えします。

集中が続かない日、体の中では何が起きている?

午後になると頭がぼんやりする。そんな日は、体の中でいくつかのことが重なっています。

血糖値の急な上下が、脳のパフォーマンスを揺らす

昼食に丼ものやパスタ単品、菓子パンなど炭水化物に偏った食事をとると、血糖値は一気に上がります。すると体はインスリンを大量に分泌して血糖を下げようとし、今度は急降下。この「上がって、急に落ちる」という波が、眠気やだるさ、頭のぼんやり感を引き起こします。

午後2〜3時に眠くなりやすいのは、昼食後の血糖値の動きと深く関係しています。

睡眠不足は、判断力を鈍らせる

睡眠が足りていないと、脳の前頭葉(判断や集中を担う部分)がうまく働きません。単純なミスが増えたり、何から手をつけていいかわからなくなったりするのは、ここが疲れているサインです。

こうした状態のとき、甘いもので一時的に気分を上げようとしても、根本的な解決にはなりにくいのです。

我慢しすぎると、夜に反動がくる

「間食は太るから」と空腹を我慢し続けると、夕方には血糖値が下がりきって、強い空腹感に襲われます。その結果、夜ごはんで食べすぎたり、帰り道にコンビニでお菓子を買い込んだり。我慢が逆効果になってしまうことも少なくありません。

間食は「甘さ」より「目的」で選ぶ

間食というと甘いものを思い浮かべがちですが、集中力の立て直しには状況に合った栄養を届けることが大切です。体が求めているものは、そのときどきで違います。

お腹が空いて集中できないとき

空腹で頭が働かないときは、たんぱく質を含むものを選びましょう。ゆで卵、チーズ、無糖のギリシャヨーグルトなどが手軽です。ここに、果物やクラッカーなど少しの糖質を組み合わせると、満足感が持続しやすくなります。

眠気を覚ましたいとき

午後の眠気には、噛みごたえのあるものが効果的です。アーモンドやくるみなどのナッツ類は、噛む動作そのものが脳への血流を促し、覚醒を助けてくれます。良質な脂質も含まれているので、腹持ちの面でも心強い選択肢です。

イライラや焦りを感じるとき

ストレスが溜まっているときは、神経の働きを落ち着かせるマグネシウムやビタミンB群を意識してみてください。ナッツ類やバナナ、カカオ分70%以上のダークチョコレートに多く含まれています。

血糖値の波を小さくする、間食の組み合わせ方

集中力を安定させるカギは、血糖値の波を小さく保つことです。間食にも、ちょっとした組み合わせのコツがあります。

糖質には、たんぱく質か脂質を添える

糖質だけを単体で食べると血糖値が急上昇しますが、たんぱく質や脂質と一緒にとると吸収がゆるやかになります。

りんごにチーズを添える、バナナとナッツを一緒に食べる、小さめのおにぎりにゆで卵を組み合わせる。「糖質に何かを足す」という意識を持つだけで、血糖値の動きはずいぶん穏やかになります。

水分補給も一緒に

見落としがちですが、脱水も集中力低下の原因になります。間食のタイミングで水やお茶を一緒にとる習慣をつけると、頭がすっきりしやすくなります。

コンビニで選ぶときの考え方

忙しい日は、コンビニが心強い味方になります。ただ、何も考えずに棚の前に立つと、つい目についた甘いものに手が伸びてしまいがちです。

おすすめは、「まずたんぱく質、次に組み合わせるもの」という順番で棚を見ること。ゆで卵やチーズ、ヨーグルトのコーナーを先に見てから、果物やナッツを選ぶ。この順番を決めておくだけで、選択がブレにくくなります。

組み合わせの例としては、ゆで卵とミックスナッツの小袋、無糖のギリシャヨーグルトとバナナ、チーズと全粒粉クラッカーなど。一方で、菓子パンとカフェラテ、チョコレート菓子だけ、といった糖質に糖質を重ねる組み合わせは、血糖値を急上昇させやすく、かえって眠気やだるさを招くことがあります。

時間帯に合わせた間食の使い方

15時の集中力低下には

午後の集中が切れてきたタイミングには、ナッツと高カカオチョコレートの組み合わせがおすすめです。カカオに含まれるテオブロミンには穏やかな覚醒作用があり、ナッツの脂質が腹持ちを支えてくれます。量は、ナッツひとつかみ(約20g)とチョコレート2〜3かけ程度で十分です。

夜の食べすぎを防ぎたいなら

夕方に空腹を抱えたまま帰宅すると、夕食でつい食べすぎてしまいがち。17〜18時頃に小さなおにぎりやゆで卵を入れておくと、夜の食欲が落ち着きます。

これは「分食」という考え方で、1日の総量を増やさずに食事のタイミングを分散させる方法です。夜ごはんの量が自然と減るので、翌朝の胃もたれも防ぎやすくなります。

我慢が逆効果になっているサイン

「間食しないほうがいい」と思って我慢を続けていると、かえってバランスを崩していることがあります。夕方になると甘いものへの欲求が止まらない、夜ごはんの量がコントロールできない、空腹で寝つきが悪い——こうしたサインが続くなら、むしろ計画的に間食を入れるほうが、1日全体のリズムが整いやすくなります。

間食は、集中力のメンテナンスと考える

間食を「余計なもの」ではなく、集中力をメンテナンスするための道具として捉え直してみてください。

大切なのは、何となく手を伸ばすのではなく、目的を決めて選ぶこと。「午後の会議が長いから、15時にナッツを食べよう」「夜まで持たせたいから、17時に小さなおにぎりを入れておこう」。自分のスケジュールに合わせて間食を設計すると、1日の集中力はぐっと安定します。

明日はコンビニの棚の前で、「甘さ」ではなく「目的」でひとつ選んでみませんか。その小さな習慣が、忙しい毎日を支える力になるはずです。

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この記事の監修者

管理栄養士・料理家

ひろのさおり

お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。