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2025.11.01

在宅太りは間食から変える。血糖値を味方につけるおやつ習慣

働く人と食の健康

在宅太りは間食から変える。血糖値を味方につけるおやつ習慣

午後3時、パソコンに向かいながら、ふと手が伸びる先はお菓子の袋。「ちょっとだけ」のつもりが、気づけば一袋空になっていた——そんな経験、ありませんか。

在宅勤務が増えた今、「なんとなく食べ」が習慣になってしまった方は少なくありません。通勤時間がなくなり、キッチンはすぐそこ。仕事の合間に冷蔵庫を開ける回数が増えた、という声もよく聞きます。

ただ、間食そのものが悪いわけではありません。むしろ、選び方と食べ方を少し変えるだけで、集中力の維持やストレス軽減にもつながります。ポイントは「血糖値」との付き合い方。血糖値の波をなだらかに保つことで、体重管理と仕事効率のどちらもサポートできます。

リモートワークが「つい食べ」を招きやすい理由

在宅勤務では、通勤や移動の時間がなくなり、自然と運動量が減ります。1日の歩数が3000歩を下回る日も珍しくないのではないでしょうか。

さらに、自宅という環境は誘惑が多いもの。オフィスなら「人目がある」「お菓子を買いに行く手間がある」といったブレーキがかかりますが、自宅ではキッチンや冷蔵庫がすぐ近く。時間の区切りも曖昧になりがちです。

仕事中のちょっとした空腹感や、オンライン会議の合間の気分転換で手を伸ばしたおやつが、気づけば毎日の習慣に。この「なんとなくの間食」こそが、血糖値の急変動や体重増加の引き金になりやすいのです。

太りにくい間食のカギは血糖値の波にある

なぜ間食で太りやすくなるのか。その鍵を握っているのが「血糖値」です。

血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のこと。食べ物を口にすると血糖値は上がり、体はそれを下げようとインスリンというホルモンを分泌します。このインスリンには、余ったエネルギーを脂肪として蓄える働きがあります。

問題は、血糖値が「急上昇」したとき。甘いお菓子やジュース、精製された炭水化物を一気に食べると、血糖値は一気に跳ね上がります。すると体は大量のインスリンを出して急いで下げようとし、今度は血糖値が急降下。この「乱高下」が繰り返されると、脂肪が蓄積しやすくなるだけでなく、眠気やだるさ、イライラを感じやすくなります

逆に言えば、血糖値の波をゆるやかに保てれば、脂肪の蓄積を抑えながら、安定したエネルギー供給で集中力も維持しやすくなります。これが「太りにくい間食習慣」の第一歩です。

血糖値にやさしい間食の選び方

食後の変化がゆるやかな食品を選ぶ

血糖値の上がりやすさを示す指標に「GI値(グリセミック・インデックス)」があります。GI値が低い食品は、ゆっくりと消化・吸収されるため、血糖値の急上昇を防いでくれます。

たとえば、ナッツ類、プレーンヨーグルト、ゆで卵、チーズなどは、いずれもGI値が低く、手軽で腹持ちも良い食品。在宅勤務中の間食にぴったりです。

一方、クッキーやチョコレート、白いパン、清涼飲料水などはGI値が高め。血糖値を急上昇させやすいため、「毎日の定番」にするには注意が必要です。

たんぱく質と食物繊維で満足感を長持ちさせる

糖質だけのおやつは、血糖値が上がりやすいだけでなく、満足感も長続きしません。「食べたはずなのに、また何か食べたい」という状態を招きやすいのです。

そこで意識したいのが、たんぱく質と食物繊維。たんぱく質は消化に時間がかかり、満腹感が持続します。食物繊維は糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の上昇を抑えてくれます。

たとえば、ベビーチーズと干し芋の組み合わせ、豆乳と高カカオチョコレート、ギリシャヨーグルトとナッツなど。単品ではなく「組み合わせる」ことで、血糖値の安定と満足感の両立が叶います。

食べるタイミングと量を決めておく

在宅勤務で陥りやすいのが「ダラダラ食べ」。仕事をしながら、気づけば何度も手を伸ばしてしまう——この食べ方は、血糖値を常に高い状態に保ち、脂肪の蓄積を促してしまいます。

おやつは「なんとなく口にする」のではなく、時間と量をあらかじめ決めておくのがおすすめです。「午後3時に」「手のひら1杯程度まで」といったルールを設けると、心にも体にも余裕が生まれます。

また、おやつを食べる時間を「仕事の区切り」として使うのも良いでしょう。デスクから離れ、別の場所で味わって食べることで、気分転換にもなり、食べ過ぎも防げます。

在宅ワーク中におすすめの間食例

具体的にどんな間食を選べばいいのか、手軽に取り入れやすい組み合わせをご紹介します。

  • 無塩ミックスナッツ+無糖カフェラテ
    ナッツの良質な脂質とたんぱく質で腹持ち◎。コーヒーのカフェインで集中力もサポート。
  • ゆで卵+プチトマト
    卵のたんぱく質とトマトのビタミンで栄養バランス良し。作り置きしておくと便利。
  • チーズ+干し芋
    チーズの脂質とたんぱく質、干し芋の食物繊維で満足感が持続。自然な甘みも楽しめる。
  • 豆乳+高カカオチョコレート
    甘いもの欲を満たしつつ、カカオ70%以上を選べば血糖値の急上昇を防げる。
  • ギリシャヨーグルト+ベリー類
    高たんぱくなギリシャヨーグルトに、抗酸化作用のあるベリーをプラス。デザート感覚で楽しめる。

これらを仕事部屋や冷蔵庫に常備しておくと、「何を食べよう」と迷うことなく、良い選択を続けやすくなります。

我慢よりも「選び方」を変えるだけで十分

間食を完全にやめる必要はありません。むしろ、無理な我慢はストレスを生み、かえって食べ過ぎの原因になることも。

大切なのは、「何を」「どのくらい」「いつ」食べるかを少し意識すること。血糖値にやさしい間食を選ぶだけで、体重管理も、仕事中の集中力も、ぐっと安定しやすくなります。

たとえば、「午前中はコーヒーだけ、午後3時にナッツとチーズ」というパターンを決めておくだけでも、「なんとなく食べ」は減っていきます。

小さな工夫の積み重ねが、心地よい毎日への第一歩です。今日のおやつ、ちょっとだけ見直してみませんか。

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この記事の監修者

管理栄養士・料理家

ひろのさおり

お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。