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2025.10.29

むくみを食事と暮らしで整える。体の“水はけ”を良くする習慣づくり

働く人と食の健康

季節の不調と栄養ケア

むくみを食事と暮らしで整える。体の“水はけ”を良くする習慣づくり

朝起きて鏡を見たら、まぶたがぼってり。夕方になると、靴がパンパンでつらい。そんな経験はありませんか?

それは「むくみ」のサインです。体脂肪が増えたわけではなく、細胞のまわりに水分が溜まっている状態。つまり、体の”水はけ”が悪くなっているということです。

むくみの背景には、塩分(ナトリウム)の摂りすぎや、それを排出するカリウムの不足、長時間同じ姿勢で過ごす生活習慣などがあります。裏を返せば、食事と日常の工夫で改善できる余地が大きいということ。

ここでは、むくみのメカニズムを整理しながら、今日から取り入れられる食事と暮らしの工夫をまとめました。

むくみはなぜ起きる?体の中で起きていること

私たちの体は、細胞の内と外の塩分濃度を一定に保とうとする仕組みを持っています。塩分(ナトリウム)を摂りすぎると、体はその濃度を薄めようとして水分を溜め込みます。これがむくみの正体です。

一方、カリウムは余分なナトリウムを体の外へ押し出す役割を担います。いわば、体の”排水口”を開けてくれる存在。カリウムが足りないと、塩分を排出する力が弱まり、水分が滞りやすくなります

また、デスクワークや立ち仕事で長時間同じ姿勢が続くと、下半身の血流が停滞します。「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎのポンプが働かず、水分が溜まりやすくなるのです。

食事で整える塩分・カリウム・食物繊維のバランス

減塩は「置き換え」で続けやすく

厚生労働省が掲げる食塩摂取の目標量は、男性1日7.5g未満、女性6.5g未満。ただ、「味を薄くする」だけでは長続きしません。

おすすめは、塩味を”香りや酸味に置き換える”という発想です。生姜やにんにく、大葉などの香味野菜。レモンやすだちなどの柑橘類。カレー粉や山椒などのスパイス。これらを活用すると、塩分を控えても物足りなさを感じにくくなります。

カリウムで余分な塩分を押し出す

カリウムは、小松菜やほうれん草などの葉物野菜、バナナやキウイなどの果物、わかめや大豆などの海藻・豆類に多く含まれます。

水に溶け出しやすい性質があるため、汁ごと食べられるスープや味噌汁、蒸し調理などを活用すると効率よく摂取できます。

水溶性食物繊維が排出を助ける

水溶性食物繊維は、腸の中で余分な塩分を吸着して排出を助けます。オクラやめかぶ、なめこ、もち麦などのネバネバ食材を味噌汁やサラダに「もう一品」加えるだけで、排出を後押ししてくれます。

暮らしの中で血流を止めない工夫

食事で塩分バランスを整えても、血流が滞っていると水分は溜まりやすいままです。

デスクワーク中は、1時間に1回は席を立ってストレッチを。座ったままでも「かかとの上げ下げ」を繰り返すだけで、ふくらはぎのポンプが働きます。

夜は、シャワーで済ませず湯船に浸かるのがおすすめです。水圧と温熱の効果で、下半身に溜まった水分が戻りやすくなります。入浴中や入浴後に、ふくらはぎを下から上へやさしくさすると、さらに流れが促されます。

気をつけたいケースと受診の目安

腎臓病や高血圧の治療中で、医師からカリウム制限の指示を受けている方は、自己判断でカリウム摂取を増やさないでください。

また、片足だけが急に腫れる、押すと痛みを伴う、息苦しさがある——こうした症状は、病気のサインである可能性があります。いつもと違う腫れ方を感じたら、早めに医療機関を受診してください。

小さな習慣が、軽やかな毎日をつくる

むくみは、「塩分を控える」「カリウムを摂る」「食物繊維を増やす」「血流を促す」——この4つを意識するだけで、少しずつ変わっていきます。

味噌汁にわかめを入れる。座りながらかかとを上げ下げする。夜は湯船に浸かってみる。そんな小さな工夫の積み重ねが、朝の顔のすっきり感や、夕方の足の軽さにつながっていきます。

まずは今日、ひとつだけ試してみませんか。

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この記事の監修者

管理栄養士・料理家

ひろのさおり

お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。