むくみを軽やかに整えるために─食事と暮らしでできること

朝、鏡の前で顔が腫れぼったい。夕方になると靴がきつい。そんな時に疑われるのが「むくみ」です。

体脂肪とは違い、むくみは体内の水分が細胞の外に滞っている状態。背景には、塩分（ナトリウム）の摂りすぎや、排出を助けるカリウム不足、長時間同じ姿勢で過ごす生活習慣があります。

つまり、食事と日常の工夫で改善できる余地が大きいのです。

食事で整える水分バランス

むくみ対策の第一歩は「減塩」です。

外食や加工食品に頼りがちな現代では、知らず知らずのうちに塩分を摂りすぎています。厚生労働省の目標は、男性1日7.5g未満、女性6.5g未満。香味野菜や柑橘、スパイスを活用し、味の濃さではなく“香りや食感”で満足感を出すと続けやすくなります。

次に意識したいのが「カリウム」。小松菜やほうれん草、バナナやキウイ、海藻や豆類に多く含まれ、余分なナトリウムを体の外へ押し出してくれます。汁ごと食べられるスープや味噌汁に取り入れれば、無理なく摂取量を増やせます。

さらに「水溶性食物繊維」も心強い味方です。オクラやめかぶ、なめこ、もち麦などのネバネバ食材は、塩分を吸着して排出を助けます。食卓に一品プラスするだけで、巡りが変わってきます。

めぐりをよくする生活習慣

食事で整えると同時に、血流を促す工夫も欠かせません。

1時間同じ姿勢を続けず、席を立って軽くストレッチを。かかとを上げ下げするだけでも、ふくらはぎのポンプが働いて下半身の水分を押し戻してくれます。

夜は湯船で体を温め、ふくらはぎをやさしくマッサージ。あるいはベッドの上で足を壁に立てかけて数分休むのも効果的です。水分を適度に摂って流れをつくることも忘れないでください。

今日からできる小さな工夫

• 朝はコップ1杯の水でスタート
• ランチは丼物より定食でバランスを意識
• 加工食品・インスタント食品は回数を減らす
• 1日1回、海藻か豆類を取り入れる
• デスクワーク中は「かかと上下運動」を習慣に

無理な制限より、続けられる小さな習慣が大切です。

注意が必要なケース

腎臓病や高血圧の治療中でカリウム制限がある方は、自己判断での摂取増加は控えてください。

また、片足だけ急に腫れる、強い痛みを伴うといった症状は病気のサインの可能性があります。早めの受診をおすすめします。

軽やかな毎日へ

むくみは、食生活と生活習慣を少し整えるだけで変わっていきます。減塩、カリウム、水溶性食物繊維、血流ケア。この4つを意識してみると、体も気持ちもぐっと軽くなるはずです。

まずは今日できることから、一つ試してみませんか。