2025.11.13
LDLコレステロールを下げるには?毎日の食卓でできるやさしい改善策
働く人と食の健康
健康診断で「LDL(悪玉)コレステロールが高い」と言われると不安になりますが、それだけで今すぐ大きな健康障害が起こるわけではありません。
ただし、放置するとゆっくり積み重なってしまうため、“これからの食生活を整えるきっかけ”として受け止めることが大切です。
とはいえ、生活全体を急に変える必要はありません。“少しの方向転換”だけでも数値は確実に動いていきます。油の選び方、食物繊維のとり方、主菜のローテーション─どれも今日から無理なく取り入れられるものばかりです。
今回は、管理栄養士の視点から、LDLコレステロールの改善に直結する食事の考え方と、実践しやすい具体策をまとめました。
LDLが高くなる理由:見直すべきは「脂質バランス」と「代謝の土台」
LDLは、体の中でコレステロールを必要な細胞へ届ける“運び屋”のような存在です。細胞膜やホルモンの材料として使われるため、本来は欠かせない働きをしています。
増えすぎると血管に負担がかかりますが、必ずしも“脂そのもの”が悪いわけではありません。重要なのは、体に入る脂質のバランスと、それを処理する代謝機能が整っているかどうかです。
脂質の偏りが続くと、LDLが増えやすい
霜降り肉、バター、生クリーム、菓子パンなどが日常的に重なると、飽和脂肪酸の割合が高くなり、LDLが上昇しやすくなります。
“代謝の土台”が乱れるとLDLが下がりにくい
食物繊維不足、運動不足、睡眠が浅い、ストレス過多─これらは脂質代謝に影響し、LDLの“出口”が狭くなります。
つまり、改善のポイントは 「脂質の種類」×「代謝のサポート」 の両方。どちらか片方だけでは、十分な変化が出にくいのです。
脂質は減らすより“選ぶ”。体がよろこぶ油の使い方
油を単に減らすだけでは、満足感も続きません。むしろ、“良い脂質”を増やし、偏りを調整するほうが自然に続きやすく、数値改善にもつながります。
取り入れたい不飽和脂肪酸
- オリーブオイル
- キャノーラ油
- 青魚のEPA・DHA
- アボカド、ナッツ類
これらは血管の柔らかさを保ち、LDLの改善を後押しします。炒め油を小さじ1のオリーブオイルにするだけでも、小さな一歩です。
控えたい脂質は“頻度の調整”でOK
- バター、ラード
- クリーム系スイーツ
- 加工肉(ベーコン・ソーセージ)
- 脂身の多い肉
完全に避ける必要はありません。“毎日→週に数回” にするだけで、脂質バランスは整いやすくなります。
LDL改善を支える食材たち:油だけに頼らない視点を
脂質の置き換えに加え、腸での吸収・排出を整えるアプローチも効果的です。
水溶性食物繊維(吸着・排出をサポート)
- 海藻(わかめ・もずく)
- ごぼう、里芋、オクラ
- もち麦・大麦
腸内でゲル状になり、コレステロールの吸収をゆるやかにしてくれます。味噌汁やスープに“もうひと具材”足すだけで摂取しやすいのも魅力です。
大豆製品(植物ステロールで吸収をブロック)
- 豆腐、納豆、高野豆腐、豆乳
肉の量を少し減らし、豆腐や納豆で補うだけで脂質バランスが整います。
青魚・海藻・きのこ(代謝を底上げ)
EPA・DHAの働きにくわえ、ミネラルや食物繊維も豊富。
「何を食べるか」に迷ったら、この組み合わせは心強い味方になります。
今日から自然に続くLDL対策
ここからは、日々の食事に落とし込みやすいアイデアを紹介します。
朝:脂質と食物繊維のバランスを整える
- バターの代わりにオリーブオイル
- 菓子パン→オートミール or 全粒粉パン
- ヨーグルトにもち麦やフルーツをプラス
朝の選び方が、その日の代謝の下準備になります。
昼:揚げ物に偏らない“安心できる構成”へ
- 唐揚げ弁当 → 玄米おにぎり+サバ缶+具だくさんスープ
- パスタ → サラダに海藻 or 豆を追加して吸収をゆるやかに
外食では「避ける」より「どう整えるか」を意識すると、無理なく続けられます。
揚げ物だったとしても、海藻サラダや具だくさんの汁物を添えるだけで、脂質のバランスはぐっと良くなります。
夕:脂質の質を整えながら、満足感はそのまま
- 肉中心の日が続いたら、翌日は魚 or 大豆製品へ
- 野菜は“火を通す・汁物にする”で量を確保
- 油は計量して小さじ1〜2に
夜は“減らす”より“質を整える”意識が続きやすくなります。量ではなく、どんな脂質を選ぶかに目を向けてみてください。
間食:甘いものを手放さずに、選び方でやさしく調整する
- 無塩ナッツ:良質な脂質が中心で、ひと握りでも満足感が続く
- ダークチョコ(70%以上):甘さ控えめで血糖値がゆるやかに。少量で満足しやすい
- ギリシャヨーグルト+ベリー:たんぱく質と食物繊維を一緒に補える“軽食感覚”のおやつ
- さつまいも少量:食物繊維が多く、腹持ちが良い
甘いものを我慢するより、“何を選ぶか” を少し変えるほうが続けやすく、LDL対策としても効果的。
変化のカギは「完璧より、積み重ね」
LDLを下げる食習慣は、厳しい制限ではありません。重要なのは、小さな改善を安定して積み重ねることです。
- 炒め油は小さじ1を計量
- 週2回の青魚を“固定枠”に
- 味噌汁の具材に水溶性食物繊維をプラス
- 加工肉は“週に何回”と緩やかに管理
どれもハードルは高くありませんが、積み重なるほど代謝が整い、血液検査に反映されていきます。
今日の一皿が、未来の血管を守る
LDLコレステロールは、食習慣と代謝の影響を受けやすい指標。だからこそ、食卓の選択を少し整えるだけで結果は変わります。
まずは、「脂質の質を整える」「食物繊維を1品増やす」の2つから。ゆるやかな改善でも、3か月後には“確かな変化”として返ってくるはずです。
ご相談・依頼はこちら
まずはお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
管理栄養士・料理家
ひろのさおり
お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。