2025.10.15
成長期の子どもに必要な栄養素とは?小学生〜高校生を支える食事と間食の整え方
ライフステージ別の食事
「しっかり食べているのに、身長が伸びない気がする」「部活帰りはお菓子ばかり食べてしまう」—。小学生から高校生にかけての成長期には、こうした悩みを抱えるご家庭も多いのではないでしょうか。
この時期の子どもたちは、体の成長・脳の発達・心の安定、どれもがめまぐるしく進みます。エネルギーが多く必要なだけでなく、限られた時間や食環境の中で“質のよい栄養”をどう届けるかがカギになります。
成長期に必要な栄養素とは?
成長に欠かせない栄養素は、以下のような働きを担っています。どれか一つだけでなく、バランスよく摂ることがポイントです。
| 栄養素 | 主な役割 | 多く含まれる食品例 |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 筋肉・臓器・ホルモンなど体の材料に | 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品 |
| カルシウム | 骨や歯の形成に不可欠 | 牛乳、ヨーグルト、小魚、小松菜 |
| 鉄 | 酸素の運搬や持久力、集中力の維持に関与 | 赤身肉、レバー、ひじき、ほうれん草、大豆 |
| ビタミンD | カルシウムの吸収をサポート | 鮭、しらす、きのこ類 |
| ビタミンB群 | エネルギー代謝を助け、神経機能を保つ | 豚肉、納豆、卵、玄米、葉物野菜 |
| 炭水化物 | 脳と体のエネルギー源 | ごはん、パン、果物、いも類 |
これらを一度の食事で網羅する必要はありませんが、1日を通して無理なく取り入れていくことが大切です。
忙しい生活の中で「間食」を味方につける
中高生になるほど、部活や塾などで生活が不規則になりやすく、1日3食だけでは栄養が不足するケースも増えてきます。そんな時に役立つのが「間食(補食)」です。ただし、お菓子やスナック菓子だけに頼るのは避けたいところ。
賢く選びたい、栄養価のある間食の工夫
- おにぎりやサンドイッチ(具材はツナ・たまご・鮭など)
- ゆで卵+チーズ(手軽にたんぱく質とカルシウム補給)
- バナナ+無糖ヨーグルト(エネルギー補給と整腸作用)
- 豆乳や栄養強化バー(部活後や移動中におすすめ)
- 野菜入り蒸しパン・おやき(家庭で作れる“栄養おやつ”)
ポイントは、「おいしくて続けやすいこと」と「夕食の妨げにならない量とタイミング」。特に帰宅後〜夕食前の1時間以内は避け、空腹感が出たタイミングで適量を取り入れましょう。
習慣づけが、食の自己管理力を育てる
食習慣は、思春期を過ぎてもその人の“健康の土台”として残り続けます。朝食を欠かさないこと、野菜を毎日1品は食べること、水分は甘くないものを選ぶこと。どれも特別なことではありませんが、小さな積み重ねが子どもの「選ぶ力」や「感じる力」を育てます。
子どもが食事に関心を持てるよう、献立づくりを一緒にしたり、食材選びを任せてみるのも良い方法です。
子どもの成長は、毎日の食事から育まれる
成長期の食事は、「足りているか?」だけでなく、「どんな栄養が、どんな形で届いているか」が重要です。
完璧を求めすぎず、“今の生活に合った工夫”を重ねることが、未来の健康につながります。
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この記事の監修者
管理栄養士・料理家
ひろのさおり
お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。