
2025.09.22
炭水化物は本当に太る?管理栄養士が教える“主食との上手な付き合い方”
働く人と食の健康
栄養の基本

「ごはんやパンは太るから…」と、主食を控えていませんか?
確かに食べ過ぎれば脂肪として蓄積されますが、炭水化物は体を動かすための大切なエネルギー源です。むしろ、うまく取り入れることで食欲が安定し、腸内環境や代謝のサイクルまで整っていきます。
今回は、炭水化物を味方に変えるメリットと、日常でできる取り入れ方をご紹介します。
炭水化物を摂ることで得られる3つのメリット
1. 血糖値が安定して間食が減る
主食を抜くと血糖値がなかなか上がらず、脳が「まだ足りない」とサインを出し続けます。
その結果、ついお菓子や菓子パンに手が伸びてしまうことも。
一方、適量のごはんやパンを加えると血糖値がゆるやかに上昇し、満足感が長く続きます。自然と間食が減り、余計なカロリー摂取を防げるでしょう。
2. 脂質の摂りすぎを防げる
主食を減らすと、おかずでお腹を満たそうとして肉やチーズなど脂質の多い食品が増えがちです。
炭水化物をしっかり摂ると食事全体のバランスが整い、脂質の比率も自然と下がります。結果として、1日の総カロリーも安定しやすくなりますよ。
3. 食物繊維が腸内環境を整える
玄米やもち麦、全粒粉パンなどには食物繊維が豊富です。
これらは腸内の善玉菌を育て、便通をスムーズにしてくれます。腸が元気になると代謝も高まり、肌の調子まで良くなることがありますよ。
主食を味方にするための実践のコツ
炭水化物の良さを引き出すには、量と質のバランスが大切です。無理のない範囲で、できることから始めてみましょう。
- 毎食「握りこぶし2つ分」(ごはん約150g)を目安に
- 白米だけの日は野菜や海藻を加えて食物繊維をプラス
- 外食時は「ごはんを減らす」より、「揚げ物を焼き・蒸し料理に変える」
- もち麦や大麦、全粒粉など低GIの主食を選び、血糖値の急上昇を防ぐ
炭水化物は“減らす”より“選ぶ”を意識して
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、炭水化物は1日総エネルギーの50〜65%が目安とされています。
大切なのは、“減らす”よりも“選ぶ”こと。自分の体格や活動量に合わせた量を意識するだけで、体調や体型は少しずつ変わっていきます。
無理に抜かず、味方につけて続けるダイエットを
炭水化物は、食欲の安定・脂質のコントロール・腸内環境の改善など、ダイエットに役立つ働きを持っています。
むやみに抜くのではなく、適量と質を意識して取り入れること。それが、無理なく続けられる健康的な体づくりへの近道です。