
2025.09.10
「まだ食べたい」を防ぐ!満腹感を高める4つの食べ方習慣
働く人と食の健康
栄養の基本

つい食べすぎて後悔…そんな経験はありませんか?
実は、満腹感は「食べた量」より「食べ方」で大きく変わるんです。今回は、管理栄養士の視点から“自然に食事量を抑えられる4つの習慣”をご紹介します。
満腹感を得られないのはなぜ?
私たちが「もうお腹いっぱい」と感じるのは、脳の満腹中枢が働くからです。これは、血糖値の上昇や咀嚼による神経刺激を合図にして機能します。
ところが、炭水化物中心の食事や早食いでは、このサインが追いつきません。ごはんやパン、麺類を一気にかき込むと血糖値が急上昇し、短時間でエネルギーが満たされたように見えても、その後は急降下。結果として「もっと食べたい」という衝動につながります。
さらに、噛む回数が少ないと消化の準備が整わず、満足感も得にくくなります。これらの要因が重なると、食後すぐに間食したくなったり、必要以上にカロリーを摂ってしまうのです。
満腹感を高める、食べ方の工夫
ちょっとした意識で、食後の満足度は大きく変わります。ここでは、管理栄養士の視点から“満腹感を得やすくなる食べ方”の工夫をご紹介します。
1. 噛みごたえのある食材を取り入れる
しっかり噛むことで、脳の満腹中枢が刺激され、食べすぎを防ぎやすくなります。
ごぼう、れんこん、イカ、切り干し大根など、歯ごたえのある食材を選ぶと自然と咀嚼回数が増えます。目安は「ひと口30回」を意識して。
2. 食事にかける時間を意識する
満腹感が脳に伝わるまでには15~20分ほどかかると言われています。
スマホやテレビをいったん置いて、ひと呼吸おきながら食べることで、食事のペースが落ちて満足感が得られやすくなります。誰かと会話を楽しみながらの食事も効果的です。
3. 定食スタイルで品数とバリエーションを
丼ぶりのように一皿で済ませるよりも、「主菜+副菜+汁物」といった定食スタイルの方が、自然に噛む回数も増え、食事の満足感が高まります。
いろいろな味・色・食感を楽しめることも、満腹感をサポートする大切な要素です。
4. 野菜を最初に食べる「ベジファースト」を実践
野菜やきのこ、海藻類などの食物繊維を豊富に含む食材を最初に食べることで、血糖値の急上昇を防ぎ、満腹感が持続しやすくなります。
結果的に間食を減らすことにもつながるため、習慣にしたい食べ方のひとつです。
毎日の食事に取り入れるちょっとした工夫
ご紹介した食べ方の工夫を「わかってはいるけど続かない…」という方も多いはず。ここでは、習慣化しやすくするためのアイデアをまとめました。
- 買い物の段階で歯ごたえ食材を常備する
ごぼうやれんこんは冷凍・水煮も便利。イカや厚揚げも冷蔵庫にあると「とりあえず噛みごたえのある一品」が作れます。 - 外食では“丼ものだけ”を避ける工夫を
定食に変更できないときは、味噌汁やサラダを追加するだけでも満足度が変わります。 - ベジファーストを無理なく続ける仕掛け
夕食前にカット野菜や具だくさんの味噌汁を常備しておくと、自然に「野菜から食べる」ができます。 - 食事に集中するための小さなルール
「食べ始めたらスマホをテーブルに置かない」と決めるなど、意識しなくても実践できる仕組みを作りましょう。
満腹感は“食べ方しだい”
満腹感は「どれだけ食べるか」より「どう食べるか」。ちょっとした工夫を積み重ねるだけで、自然と食べすぎを防げるようになります。
まずは今日の一食から、気軽に試してみてくださいね。