2025.10.10
ごはんをもっと美味しく!お米の選び方・保存と炊き方の知恵
調理の保存とコツ
毎日食べるお米。炊き方に慣れてしまうと「どれも同じ」と思いがちですが、実は少しの工夫で驚くほど味が変わります。
ここでは、お米の“選び方・保存・炊き方”にまつわる基本と、無洗米や品種の特徴まで含めてご紹介します。
お米を選ぶときに知っておきたいこと
秋に出回る新米は水分が多く、普段通りの水加減ではやわらかすぎる仕上がりになりがちです。
炊飯時の水を1割ほど減らすだけで、粒立ちの良いごはんに変わります。
古米が余ってしまったときは、新米とブレンドするのもおすすめです。水分量が調整され、炊き上がりが安定します。さらに、古米を炊く際に酒やみりんを少し加えるとツヤと香りが戻ります。
選ぶときは「新米表示」よりも精米日が2週間以内かどうかを意識しましょう。まとめ買いよりも、1〜2か月で食べ切れる量を小分けで購入するのが理想です。
美味しさを守る保存の工夫
精米後のお米は、空気や湿気にさらされると風味が落ちてしまいます。
おすすめは冷蔵庫の野菜室に密閉容器で保管すること。温度と湿度が安定し、におい移りも防げます。
米びつには、昔ながらの乾燥とうがらしに加えて、ローリエの葉を入れる方法もあります。虫よけ効果が期待でき、開けたときの香りも爽やかです。
炊いたごはんは冷蔵保存すると硬くなりやすいため、小分け冷凍がおすすめ。解凍後も炊きたてに近い食感を楽しめます。
炊き方ひとつで変わる味わい
お米の美味しさは炊き方でも変わります。
たとえば浸水時に氷を入れると、水温がゆっくり上がることでデンプンの糖化が進み、甘みが引き立ちます。氷の分だけ水を減らすのがコツです。
また、古米を炊くときに昆布をひとかけ入れると旨味が加わり、風味豊かに。シンプルな白ごはんでもごちそう感が増します。
無洗米の特徴と品種の違いを楽しむ
「とがずに炊ける無洗米」は、忙しい日常の味方です。
表面のぬか層が取り除かれているため水質に左右されにくく、におい移りも少ないのが特徴。特に夏場やアウトドアでは扱いやすいお米です。
炊き方のポイントは、通常の精白米より水をやや多めにすること。精米時に表面が削れているため、少し多めの水でふっくらと仕上がります。
また、品種によっても風味や食感は大きく違います。
- コシヒカリ:甘みと粘りが強く、冷めても美味しい。お弁当やおにぎりに最適。
- あきたこまち:ややあっさりした味わいで、和食全般に合う。粘りと硬さのバランスが良い。
- ササニシキ:粘りが少なく口当たりはさらっと軽い。寿司や丼ものにぴったり。
- ゆめぴりか(北海道):もちもち食感と強い甘み。洋食や濃い味付けにも合う。
料理や好みに合わせて品種を選ぶと、食卓がより楽しくなります。
毎日のごはんを美味しくする習慣
- 新米は水を1割減らして炊く
- 古米は新米とブレンド or 酒やみりんを加える
- 精米日は2週間以内をチェック
- 保存は冷蔵庫の野菜室+密閉容器
- 米びつには乾燥とうがらしやローリエを入れる
- 炊飯時に氷や昆布をプラスして風味アップ
- 無洗米は水をやや多めに
- 料理に合わせて品種を選んで楽しむ
ごはんを楽しむために知っておきたいこと
お米は毎日口にする身近な食材だからこそ、ちょっとした知識と習慣が味を大きく変えてくれます。選び方・保存・炊き方に気を配り、無洗米や品種の特徴を生かせば、普段の食卓がぐっと豊かに。
明日からのごはんをさらに楽しむために、ぜひ取り入れてみてください。
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この記事の監修者
管理栄養士・料理家
ひろのさおり
お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。