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2025.08.06

無理なく痩せたい人へ。管理栄養士が教える“ゆるダイエット”のコツ

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栄養の基本

無理なく痩せたい人へ。管理栄養士が教える“ゆるダイエット”のコツ

「今度こそ痩せる」と決意して始めたダイエット。最初の数日は順調だったのに、気づけば元の食生活に戻っている──そんな経験はありませんか。

短期間で結果を出そうとすると、体も心も無理を強いられます。実は、ゆるくて続く工夫のほうが、リバウンドしにくく、最終的には目標に近づきやすいのです。

ここでは、管理栄養士の視点から、無理なく体重を落とすための基本姿勢と、日常で続けやすい食習慣の整え方をまとめました。

厳しいダイエットが続かない理由

「食べたいものを我慢する」「カロリーを徹底的に減らす」。こうしたアプローチは、短期間で体重が落ちることもあります。でも、続けられなければ意味がありません。

極端な制限は体と心の両方に負担をかける

糖質を極端に減らすと、エネルギー不足から頭がぼんやりしたり、イライラしやすくなったりします。また、食事量を大幅にカットすると、体は「飢餓状態だ」と判断し、代謝を落として省エネモードに入ります。

その結果、食べる量を戻したとたんにリバウンドしやすくなるのです。さらに、筋肉量が減ると基礎代謝が下がり、以前より太りやすい体質になってしまうこともあります。

数字を追いすぎると心が折れやすい

「今月中に◯kg痩せる」といった目標は、一見わかりやすいですよね。でも、体重は水分量や体調によって日々変動します。努力しているのに数字が動かない日が続くと、「やっぱり自分には無理だ」と諦めてしまいがちです。

ダイエット成功のカギは、数字より行動に目を向けること。日々の食習慣を少しずつ整えていけば、体は必ず応えてくれます。

減量ペースの目安を知っておく

無理なく健康的に痩せるための目安は、月に1〜2kg程度。1日あたりに換算すると、240〜480kcalほどのマイナスを作るイメージです。

これは「ごはんを少し減らす」「おやつを見直す」程度の調整で実現できる範囲。急激な変化ではないからこそ、体への負担が少なく、リバウンドのリスクも抑えられます。

3か月で3〜5kg、半年で5〜10kg。このくらいのペースを想定しておくと、焦らずに取り組めます。

食べながら無理なく整えるための実践ポイント

「食べる量を極端に減らす」よりも、少し控える、うまく調整するという意識のほうが長続きします。ここからは、具体的な工夫を見ていきましょう。

量を減らしすぎず、バランスで整える

主食を減らしすぎると、空腹感が強くなり、結局おやつや夜食で帳消しになってしまうことも。ごはんは茶碗に軽くくぼみができるくらい(8分目)を目安にしましょう。

主食を控えた分は、たんぱく質や野菜で満足感をプラスします。肉や魚、卵、豆腐などのたんぱく質は腹持ちがよく、筋肉の維持にも欠かせません。野菜は噛みごたえがあるものを選ぶと、少量でも満足しやすくなります。

我慢より帳尻合わせを意識する

外食や甘いものを完全に禁止すると、ストレスが溜まって爆発的に食べてしまうことがあります。大切なのは、「食べたら翌日で整える」という発想です。

たとえば、昨夜こってりした食事を楽しんだなら、翌日の昼は野菜中心の定食にする。友人とスイーツを食べた日は、夕食を軽めの和食にする。こうした帳尻合わせの習慣があれば、1週間単位で見たときにバランスが整います。

食べすぎを防ぐ小さな習慣をもつ

食べすぎは、意志の弱さではなく環境の問題であることが多いです。ちょっとした工夫で、自然と適量で満足できるようになります。

お菓子は袋のまま食べず、小皿に出して量を“見える化”する。空腹になりすぎる前に、ナッツやチーズで軽くつないでおく。食べる順番を「野菜→主菜→主食」にすると、血糖値の急上昇を抑えられ、食後の眠気や空腹感も和らぎます。

シーン別に見る、続けやすいダイエット習慣

1日の流れの中で、無理なく取り入れられる工夫をシーン別にご紹介します。

朝は軽くても食べることを優先

朝食を抜くと、昼食でドカ食いしやすくなります。忙しい朝でも、ヨーグルトとバナナ、おにぎり1個と味噌汁など、軽くてもいいので何か口にする習慣をつけましょう。

朝に食べることで体内時計がリセットされ、代謝のスイッチも入りやすくなります。

昼は選び方で調整する

外食やコンビニ弁当が中心になりがちなランチタイム。揚げ物を完全に避けるのではなく、「揚げ物を選んだ日は野菜も一緒に」「丼物より定食を選ぶ」といった選び方の工夫で十分です。

サラダや副菜を1品追加するだけでも、栄養バランスはぐっと良くなります。

夜は満足感を大切にしながら調整

夜は1日の疲れもあって、こってりしたものが食べたくなりますよね。ここで大切なのは、量を減らすより質を整える意識です。

脂身の多い肉より赤身や魚を選ぶ、揚げ物より焼き物や蒸し物にする。主食を少し減らす代わりに、具だくさんの味噌汁やスープで満足感を補う。こうした小さな置き換えが、無理なく続くコツです。

間食は選び方で味方につける

「おやつ=ダイエットの敵」ではありません。むしろ、上手に取り入れることで空腹によるドカ食いを防げます。

ひと握りの無塩ナッツ、カカオ分70%以上のダークチョコを少量、ギリシャヨーグルトにベリーを合わせた軽いデザート。こうした選択肢なら、満足感を保ちながら血糖値の乱高下も抑えられます。

心の整え方もダイエットの一部

体重が思うように減らないとき、自分を責めてしまう人は少なくありません。でも、自己否定はモチベーションを下げるだけでなく、ストレスによる過食を招くこともあります。

できた行動を数える習慣をつける

「今日は間食を控えられた」「野菜から食べ始めた」「夜ごはんを腹八分目にできた」。こうした小さな行動の積み重ねを、自分で認めてあげましょう。

体重計に乗るのは週1回でも十分。毎日乗ると数字の変動に振り回されやすくなります。それよりも、「今週は野菜を意識できた」といった行動ベースの振り返りのほうが、長い目で見て成果につながります。

完璧を目指さない

食べすぎてしまった日があっても、翌日からまた整えればいいのです。「1日失敗したから全部台無し」と考えず、「1週間単位で見ればOK」くらいの気持ちで取り組みましょう。

ダイエットは短距離走ではなく、マラソンのようなもの。自分のペースで走り続けることが、ゴールへの近道です。

整える意識が体を変えていく

ダイエットは「我慢するもの」ではなく、「整えていくもの」。食事の量を極端に減らすより、質やバランス、タイミングを少しずつ調整するほうが、体にも心にもやさしく、続けやすいのです。

まずは今日できることから。ごはんを少し控えめにする、野菜を1品足す、間食を見直す。どれも小さな一歩ですが、3か月後、半年後には確かな変化として返ってきます。

無理しないペースで、自分の体と向き合っていきましょう。

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この記事の監修者

管理栄養士・料理家

ひろのさおり

お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。