
2025.08.14
冷房冷え・血行不良に悩む方へ。巡りを整えるビタミンEの力とは?
働く人と食の健康
季節の不調と栄養ケア

夏でも手足が冷たい、朝から体が重だるい…。そんな“夏の冷え”に悩まされていませんか?冷房による体の冷えは、血流の滞りを引き起こし、疲労感や肩こり、肌荒れといった不調の原因にもなります。
この記事では、血流をサポートする「ビタミンE」の働きと、毎日の食事でできる対策法を、管理栄養士の視点でご紹介します。
なぜ夏でも冷えやすい?血行不良の背景にあるもの
夏の冷えは、単なる“寒さ”ではありません。
長時間エアコンの効いた環境にいると、皮膚表面の温度が下がり、毛細血管が収縮。さらにデスクワークなどで筋肉を動かさない時間が続くと、血液を送り出すポンプ機能も低下してしまいます。
結果として、手足の先まで酸素や栄養が届きにくくなり、全身のだるさ・むくみ・肌のくすみなどが起こりやすくなるのです。
ビタミンEに注目したい理由 ―血流の質と巡りのケア
ビタミンEは、脂溶性ビタミンのひとつで、「抗酸化ビタミン」として知られていますが、実は“血行促進”の働きにも優れています。
- 赤血球や血管の柔軟性を保ち、血液の流れをなめらかに
- 血小板の凝集を抑えて、詰まりにくい状態をキープ
- 酸化ストレスから血管を守り、しなやかさを維持
このような作用によって、手足の冷えや肩こり、疲れやすさなど、“巡り”に関する不調の予防・改善が期待されます。
巡りを整えるための食材と、効果的な組み合わせ
血行をサポートするには、ビタミンEを多く含む食材を中心にしながら、抗酸化力を高める組み合わせを意識するのがコツです。
それぞれの特徴と、相性のよい食べ合わせを見てみましょう。
ビタミンEを多く含む主な食材
- ナッツ類(アーモンド・くるみなど) … 抗酸化成分と良質な脂質が豊富。おやつやトッピングにおすすめ。
- 色の濃い野菜(かぼちゃ・アボカド・赤パプリカなど) … ビタミンEだけでなく、βカロテンやビタミンCも多く含み、肌や血管を守ります。
- 魚介類(うなぎ・サーモン・真鯛など) … ビタミンEとともにDHA・EPAも摂れ、血液をサラサラに。
- 植物油(オリーブオイル・サフラワー油など) … 吸収を助ける“運び役”。仕上げに使うことでビタミンEを効率よく摂取できます。
抗酸化力を高めるおすすめの組み合わせ
- アボカド × トマト
アボカドに豊富なビタミンEと脂質が、トマトのリコピン吸収を高め、血管や肌を酸化から守ります。 - かぼちゃ × 味噌汁(油揚げ・ごま入り)
かぼちゃのビタミンEに、味噌汁の油揚げやごまの植物性脂質をプラス。吸収率がアップし、冷え対策にも効果的。 - 焼き鮭 × ブロッコリー
鮭に含まれるビタミンEとアスタキサンチンが、ブロッコリーのビタミンCと共に働き、抗酸化力を強化。紫外線ダメージのケアにも◎ - くるみ × ほうれん草
くるみのビタミンEと良質脂質が、ほうれん草のβカロテン吸収を助け、血流改善に。 - うなぎ × きんぴらごぼう
うなぎのビタミンEとEPAが、食物繊維と組み合わさり、血液をサラサラに整えます。
冷えを感じたときに見直したい、食事と暮らしの小さな工夫
ビタミンEを上手にとり入れるためには、食事だけでなく、日々の過ごし方も含めた“習慣全体”を意識することが大切です。体の巡りをサポートするために、今日からできるちょっとした工夫を紹介します。
食事で意識したいこと
- 間食にナッツを活用
アーモンドやくるみなどのナッツ類は、ビタミンEと良質な脂質が豊富。1日25gを目安に、無塩・素焼きタイプを選びましょう。 - 油は「仕上げ使い」で栄養を守る
オリーブオイルや亜麻仁油などは、加熱せずにサラダやスープにひと回しすることで、酸化を防ぎながら栄養が摂れます。 - 魚を週2~3回メインに取り入れる
鮭・サバ・うなぎなど脂のある魚には、ビタミンEやDHA・EPAも豊富。塩焼きやホイル蒸しで手軽に。 - サラダや汁物に彩り野菜を+1品
赤パプリカ・かぼちゃ・ブロッコリーなど、ビタミンCやβカロテンと一緒にとることで抗酸化力がアップします。
生活習慣で意識したいこと
- 朝は体を内側から温める工夫を
白湯やスープなど温かい飲み物を取り入れ、朝食には卵やアボカドなど、たんぱく質と脂質を含む食材を。 - 軽い運動を“こまめに”取り入れる
1時間に1回は席を立ち、首回し・かかと上げ・肩甲骨のストレッチなどで血流をサポートしましょう。 - デスクワーク中も“ながらケア”を意識
足首を回す、ふくらはぎを伸ばすなど、座ったままでもできる動きで巡りを促せます。 - 夕食は温かい主菜+汁物で締める
魚料理に加え、温かい味噌汁や野菜スープを添えると、体を冷やしにくく、栄養バランスも整います。
ビタミンEで“巡り上手”な夏に
夏の冷えや血行不良は、単なる不快感にとどまらず、全身の不調につながることも。まずは食事にビタミンEを取り入れ、軽い運動と合わせて“巡る体”をつくっていきましょう。