1. ホーム
  2. コラム
  3. 冷房冷え・血行不良に悩む方へ。巡りを整えるビタミンEの力とは?

2025.08.14

冷房冷え・血行不良に悩む方へ。巡りを整えるビタミンEの力とは?

働く人と食の健康

季節の不調と栄養ケア

冷房冷え・血行不良に悩む方へ。巡りを整えるビタミンEの力とは?

夏でも手足が冷たい、朝から体が重だるい…。そんな“夏の冷え”に悩まされていませんか?冷房による体の冷えは、血流の滞りを引き起こし、疲労感や肩こり、肌荒れといった不調の原因にもなります。

この記事では、血流をサポートする「ビタミンE」の働きと、毎日の食事でできる対策法を、管理栄養士の視点でご紹介します。

なぜ夏でも冷えやすい?血行不良の背景にあるもの

夏の冷えは、単なる“寒さ”ではありません。

長時間エアコンの効いた環境にいると、皮膚表面の温度が下がり、毛細血管が収縮。さらにデスクワークなどで筋肉を動かさない時間が続くと、血液を送り出すポンプ機能も低下してしまいます。

結果として、手足の先まで酸素や栄養が届きにくくなり、全身のだるさ・むくみ・肌のくすみなどが起こりやすくなるのです。

ビタミンEに注目したい理由 ―血流の質と巡りのケア

ビタミンEは、脂溶性ビタミンのひとつで、「抗酸化ビタミン」として知られていますが、実は“血行促進”の働きにも優れています。

  • 赤血球や血管の柔軟性を保ち、血液の流れをなめらかに
  • 血小板の凝集を抑えて、詰まりにくい状態をキープ
  • 酸化ストレスから血管を守り、しなやかさを維持

このような作用によって、手足の冷えや肩こり、疲れやすさなど、“巡り”に関する不調の予防・改善が期待されます。

巡りを整えるための食材と、効果的な組み合わせ

血行をサポートするには、ビタミンEを多く含む食材を中心にしながら、抗酸化力を高める組み合わせを意識するのがコツです。

それぞれの特徴と、相性のよい食べ合わせを見てみましょう。

ビタミンEを多く含む主な食材

  • ナッツ類(アーモンド・くるみなど) … 抗酸化成分と良質な脂質が豊富。おやつやトッピングにおすすめ。
  • 色の濃い野菜(かぼちゃ・アボカド・赤パプリカなど) … ビタミンEだけでなく、βカロテンやビタミンCも多く含み、肌や血管を守ります。
  • 魚介類(うなぎ・サーモン・真鯛など) … ビタミンEとともにDHA・EPAも摂れ、血液をサラサラに。
  • 植物油(オリーブオイル・サフラワー油など) … 吸収を助ける“運び役”。仕上げに使うことでビタミンEを効率よく摂取できます。

抗酸化力を高めるおすすめの組み合わせ

  • アボカド × トマト
    アボカドに豊富なビタミンEと脂質が、トマトのリコピン吸収を高め、血管や肌を酸化から守ります。
  • かぼちゃ × 味噌汁(油揚げ・ごま入り)
    かぼちゃのビタミンEに、味噌汁の油揚げやごまの植物性脂質をプラス。吸収率がアップし、冷え対策にも効果的。
  • 焼き鮭 × ブロッコリー
    鮭に含まれるビタミンEとアスタキサンチンが、ブロッコリーのビタミンCと共に働き、抗酸化力を強化。紫外線ダメージのケアにも◎
  • くるみ × ほうれん草
    くるみのビタミンEと良質脂質が、ほうれん草のβカロテン吸収を助け、血流改善に。
  • うなぎ × きんぴらごぼう
    うなぎのビタミンEとEPAが、食物繊維と組み合わさり、血液をサラサラに整えます。

冷えを感じたときに見直したい、食事と暮らしの小さな工夫

ビタミンEを上手にとり入れるためには、食事だけでなく、日々の過ごし方も含めた“習慣全体”を意識することが大切です。体の巡りをサポートするために、今日からできるちょっとした工夫を紹介します。

食事で意識したいこと

  • 間食にナッツを活用
    アーモンドやくるみなどのナッツ類は、ビタミンEと良質な脂質が豊富。1日25gを目安に、無塩・素焼きタイプを選びましょう。
  • 油は「仕上げ使い」で栄養を守る
    オリーブオイルや亜麻仁油などは、加熱せずにサラダやスープにひと回しすることで、酸化を防ぎながら栄養が摂れます。
  • 魚を週2~3回メインに取り入れる
    鮭・サバ・うなぎなど脂のある魚には、ビタミンEやDHA・EPAも豊富。塩焼きやホイル蒸しで手軽に。
  • サラダや汁物に彩り野菜を+1品
    赤パプリカ・かぼちゃ・ブロッコリーなど、ビタミンCやβカロテンと一緒にとることで抗酸化力がアップします。

生活習慣で意識したいこと

  • 朝は体を内側から温める工夫を
    白湯やスープなど温かい飲み物を取り入れ、朝食には卵やアボカドなど、たんぱく質と脂質を含む食材を。
  • 軽い運動を“こまめに”取り入れる
    1時間に1回は席を立ち、首回し・かかと上げ・肩甲骨のストレッチなどで血流をサポートしましょう。
  • デスクワーク中も“ながらケア”を意識
    足首を回す、ふくらはぎを伸ばすなど、座ったままでもできる動きで巡りを促せます。
  • 夕食は温かい主菜+汁物で締める
    魚料理に加え、温かい味噌汁や野菜スープを添えると、体を冷やしにくく、栄養バランスも整います。

ビタミンEで“巡り上手”な夏に

夏の冷えや血行不良は、単なる不快感にとどまらず、全身の不調につながることも。まずは食事にビタミンEを取り入れ、軽い運動と合わせて“巡る体”をつくっていきましょう。