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2025.08.08

干ししいたけ、どう戻してる?「冷蔵庫で5時間」が旨味と時短の正解

調理の保存とコツ

干ししいたけ、どう戻してる?「冷蔵庫で5時間」が旨味と時短の正解

干ししいたけを戻すとき、「すぐに使いたいのに戻りが遅い」「せっかく使うのに味がイマイチ…」そんな経験はありませんか?

実は、干ししいたけの戻し方には“科学的におすすめ”とされる方法があります。

それが「冷蔵庫で5時間」。旨味を逃さず、使いやすさもアップするこの方法を、管理栄養士の視点で解説します。

なぜ、干ししいたけの戻し方が味を左右するのか?

干ししいたけの戻し汁には、独特のコクと香りがあります。その主な理由は「グアニル酸」という旨味成分が生まれるためです。

このグアニル酸は、戻し中にリボ核酸が酵素の働きによって変化したもの。つまり、戻し方次第で旨味の量が変わってしまうのです。特に温度の影響は大きく、高温ではせっかく生まれたグアニル酸が分解されてしまうこともあります。

旨味を引き出すには、“温度”と“時間”のバランスがカギ

干ししいたけの旨味のもとになる「グアニル酸」は、戻す過程でリボ核酸から変化して生成されます。この変化には、「酵素」の働きが必要ですが、酵素は温度にとても敏感です。

  • 5℃前後の低温
    グアニル酸を生み出す「生成酵素(ヌクレアーゼ)」が安定して働きます。
  • 高温はNG
    一方で、グアニル酸を分解してしまう「分解酵素(ホスファターゼ)」は、高温で活性化してしまいます。

つまり、「低温でじっくり戻す」ことで、生成は促進され、分解は抑えられるという理想的な状態になるのです。

さらに、時間は5時間前後がベスト。それ以上長く浸けても、グアニル酸の量が増えるわけではなく、風味が劣化する可能性もあるため、必要以上の浸水は避けましょう。

冷蔵庫でOK!干ししいたけの戻し方ステップ

すぐ実践できるのが「冷蔵庫で5時間戻す」方法。以下の手順で、旨味を逃さず、しっかり吸水できます。

  • 保存袋に干ししいたけとたっぷりの水を入れる
    ※空気を抜くと吸水が早くなります
  • 冷蔵庫で5時間置く(野菜室でもOK)
  • 途中で石づきを切り落とすと吸水促進に◎
  • 戻し汁はこして冷凍保存を
    ※煮物や炊き込みご飯に使う場合、全量でなく1/3~1/2程度がベスト

より美味しく活用するために

✓ 買うときは「肉厚」「カサ裏が白い」「ひび割れ」のあるものを選びましょう
✓ カットしいたけも同様に冷蔵戻しでOK
✓ 戻したしいたけは冷凍保存で1ヶ月ほど保存可能
✓ だしだけでなく、具材としても弾力があり美味しく仕上がります

また、旨味を活かした炊き込みご飯や炒め物にすることで、余すことなく活用できます。

干ししいたけは「5℃×5時間」で、旨味も手間も最適化

干ししいたけのだしは、料理全体の味を底上げする重要な存在。

「冷蔵庫で5時間」なら、香りも旨味も最大限引き出しつつ、時間のロスもありません。次に使うときは、ぜひこの方法を試してみてください。

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この記事の監修者

管理栄養士・料理家

ひろのさおり

お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。