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2025.09.26

フライパンで作る「蒸しゆで卵」のすすめ。時短でむきやすい理由と、失敗しないコツ

調理と保存のコツ

フライパンで作る「蒸しゆで卵」のすすめ。時短でむきやすい理由と、失敗しないコツ

忙しい朝、ゆで卵を作ろうとしたら、殻がボロボロになって白身まで崩れてしまった。冷蔵庫に常備しておきたいのに、殻むきのストレスで億劫になってしまう。そんな経験、ありませんか?

実は、ゆで卵の“殻むきストレス”には、ちゃんとした原因があります。そして、それを解決する方法もあります。

この記事では、フライパンひとつでできる蒸しゆで卵という調理法をご紹介します。少ない水と短い時間で、殻がスルッとむける卵に仕上がる。一度覚えたら、普通の「お湯でゆでる」方法には戻れなくなるかもしれません。

なぜ殻がきれいにむけないのか

ゆで卵の殻むきに苦戦した経験がある方は多いはず。白身がくっついて、ボコボコの見た目になってしまう原因は、主に2つあります。

ひとつは卵の鮮度。新鮮な卵ほど、白身と殻の内側の薄皮がぴったり密着しているため、むきにくいのです。買ってから1週間ほど経った卵のほうが、ゆで卵には向いています。

もうひとつは加熱方法。たっぷりのお湯でゆでる方法は、温度管理が難しく、加熱ムラや急激な温度変化で殻にひびが入りやすくなります。また、白身と殻の間に隙間ができにくいため、むきにくさの原因になります。

ここで活躍するのが、蒸気の力を借りた「蒸しゆで」という方法です。

蒸しゆでが「時短」で「むきやすい」理由

蒸しゆで卵は、お湯で煮るのではなく、蒸気で加熱する調理法です。フライパンや鍋の底に少量の水を張り、ふたをして蒸気で卵を包み込むように熱を伝えます。

この方法には、理にかなったメリットがあります。

まず、水の量が少ないので沸騰が早い。たっぷりのお湯を沸かす必要がないため、準備から完成までの時間がぐっと短くなります。忙しい朝やお弁当作りには、この数分の差が大きいですよね。

次に、殻がむきやすい。蒸気による加熱は、卵の殻の内側に空気の層を作りやすくします。この空気層が、白身と殻の間に隙間を生み、スルッとむける状態につながります。

そして、仕上がりが安定する。蒸気は卵全体をやさしく包み込むため、黄身の中心まで均一に火が通ります。お湯でゆでるときのように、卵どうしがぶつかってひび割れる心配も少なくなります。

フライパンひとつでできる基本の作り方

用意するものはシンプルです。卵、フライパン(または鍋)、ふた、そして水。たったこれだけで、失敗の少ない蒸しゆで卵が作れます。

手順

  1. フライパンに水を深さ2〜3cmほど入れる
  2. 冷蔵庫から出した卵をそっと並べ、ふたをして中火で加熱
  3. 沸騰したら弱火にして、タイマーをスタート
  4. 時間になったらすぐに冷水(できれば氷水)にとり、しっかり冷やす

ポイントは「沸騰してから時間を計る」こと。沸騰前から計り始めると、フライパンの種類やコンロの火力によって仕上がりにばらつきが出てしまいます。

ゆで加減の目安を知っておこう

蒸し時間を変えるだけで、とろとろ半熟から固ゆでまで、好みの仕上がりを自在にコントロールできます。以下の目安を参考に、あなた好みの加減を見つけてみてください。

蒸し時間仕上がりの目安おすすめの食べ方
約5分白身やわらか、黄身とろとろトーストやサラダのトッピングに
約7分白身しっかり、黄身はクリーミー朝食やお弁当に最適
約10分全体がしっかり固ゆで作り置きや常備菜向き

卵のサイズや冷蔵庫から出したての温度によって多少前後するので、最初は1〜2個で試してみることをおすすめします。

食べ方に合わせて使い分ける

蒸しゆで卵は、仕上がりの加減によって相性の良い料理が変わってきます。

とろとろの半熟は、トーストにのせてナイフで割ると、黄身がソースのように広がります。サラダのトッピングにしても、ドレッシングと黄身が混ざり合って濃厚な味わいに。ラーメンにのせる煮卵を作るなら、少し固めの半熟がちょうどいいですね。

固ゆでは、刻んでタルタルソースやサンドイッチの具に。週末にまとめて作っておけば、平日の朝食やお弁当にさっと使えます。そのまま塩を振って食べるシンプルな食べ方も、固ゆでならではの満足感があります。

どの食べ方にも対応できるよう、半熟と固ゆでを数個ずつ作っておくのもおすすめです。

仕上がりをワンランク上げるコツ

基本の作り方に加えて、ちょっとした工夫でさらにきれいな仕上がりになります。

加熱前に卵を軽くぬらす

冷蔵庫から出したての冷たい卵を、いきなり熱い蒸気にさらすと、急激な温度変化でひび割れることがあります。卵を水でさっとぬらしてからフライパンに入れると、この温度差がやわらぎます。

加熱後は氷水でしっかり冷やす

蒸し上がったらすぐに氷水へ。急冷することで殻と白身の間に隙間ができ、むきやすさがぐんと上がります。ぬるい水ではなく、氷を入れた冷水を使うのがコツです。

複数個作るときは重ならないように

卵が重なると、蒸気の通り道がふさがれて加熱ムラの原因になります。卵同士が触れない程度の間隔をあけて並べましょう。フライパンのサイズに合わせて、一度に作る個数を調整することも大切です。

うまくいかないときはここをチェック

「レシピ通りにやったのに、思ったより固くなってしまった」「殻がうまくむけなかった」。そんなときは、いくつかの原因が考えられます。

仕上がりが固すぎる場合

火を止めるタイミングが遅れていませんか。タイマーが鳴ったら、すぐに火を止めて冷水に移すことが大切です。余熱でも卵は加熱され続けるため、数分の遅れが仕上がりに影響します。また、使っている卵がSサイズの場合は、Mサイズより1〜2分短めにするとちょうどよくなります。

殻がむきにくい場合

新鮮すぎる卵を使っていないか確認してください。産みたての卵は炭酸ガスを多く含んでおり、白身と殻がくっつきやすい状態です。購入から1週間ほど経った卵を使うと、格段にむきやすくなります。また、加熱後の冷却が不十分だと殻離れが悪くなるので、しっかり氷水で冷やすことを意識してみてください。

加熱ムラがある場合

フライパンのふたがきちんと閉まっているか確認しましょう。蒸気が逃げてしまうと、均一に熱が伝わりません。また、卵をフライパンに入れるときに転がしてしまうと、黄身の位置が偏ることがあります。そっと置いて、加熱中は動かさないようにすると、見た目もきれいに仕上がります。

保存するときに気をつけたいこと

作り置きに便利な蒸しゆで卵ですが、保存には少し注意が必要です。

半熟卵は当日中に食べきる

黄身がとろとろの半熟卵は、中心部まで完全に火が通っていない状態です。雑菌が繁殖しやすいため、作ったその日のうちに食べるのが安心です。

固ゆでは殻付きで冷蔵保存

しっかり火を通した固ゆで卵なら、殻をむかずに冷蔵庫で3日以内を目安に保存できます。殻をむいてしまうと日持ちが短くなるので、食べる直前にむくのがベストです。

食中毒が心配な場合は加熱時間を長めに

小さなお子さんや高齢の方がいるご家庭では、安全面を優先して固ゆでを選ぶのも一案です。厚生労働省では、食中毒予防の観点から中心部75℃で1分以上の加熱を推奨しています。蒸し時間を10分以上にすれば、この基準を満たしやすくなります。

蒸しゆで卵を日常に取り入れてみませんか

蒸しゆで卵は、手軽・時短・むきやすいの三拍子がそろった調理法です。フライパンひとつで完結するので、特別な道具も必要ありません。

朝のバタバタした時間でも、数分の蒸し時間を待つ間に他の準備ができます。お弁当に入れる卵も、きれいにむけるからこそ見栄えよく仕上がります。

まずは週末の朝など、時間に余裕のあるときに一度試してみてください。あなた好みの“ちょうどいい加減”を見つける楽しみもあります。

ゆで卵の小さなストレスがひとつ減るだけで、毎日の料理がほんの少し、軽やかになるはずです。

参考

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この記事の監修者

管理栄養士・料理家

ひろのさおり

お茶の水女子大学大学院在学中、フリーランスとして管理栄養士のキャリアをスタート。レシピ開発や執筆業、出張料理サービスに携わり、特定保健指導、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。現在は株式会社セイボリーの代表を務め、レシピ開発・料理撮影や、調理器具や食品の監修・販促サポートなどの事業を営む。テレビ出演などのメディア実績も多数。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。