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2025.09.14

温度計なしでOK!揚げ油の温度を見極める簡単な方法

調理の保存とコツ

温度計なしでOK!揚げ油の温度を見極める簡単な方法

「揚げ物のレシピはあるけど、温度計がないから不安…」そんなふうに感じたことはありませんか?実は、家庭にある粉と水だけで、誰でも簡単に油温を見極める方法があるんです。

今回は、揚げ物の失敗を防ぐための温度チェック術と、知っておきたいコツをご紹介します。

衣ひと粒で温度がわかる理由

揚げ物のカギは「油温」です。高すぎると焦げやすく、低すぎるとべちゃっとなりがち。でも、油の表面は見た目では判断しにくいですよね。

そこで活躍するのが「衣チェック」。薄力粉と水を同量(例:各大さじ1)混ぜて衣を作り、菜箸の先で米粒くらいの衣を油に落とすだけ。このときの動きや泡立ちから、温度帯をおおよそ見分けることができます。

温度別の見分け方と適切な料理

以下のように、衣の動きで油の温度をチェックできます。

150℃以下:沈んだまま動かない

衣を落としても泡がほとんど立たず、鍋底に沈んで動かない状態です。油の表面も静かで、ジュワッという音もありません。

この温度帯は揚げ物には不向きですが、食材にゆっくりと火を通したいときに適しています。たとえば、鶏肉のコンフィサーモンの低温調理など、煮るようにじんわり火を入れる調理法にぴったり。

逆にここで揚げ物を始めると、油を吸いすぎてベタついた仕上がりになるので注意しましょう。

150〜160℃(低温):ゆっくり沈み、しばらくして浮く

衣が沈み、数秒後にゆっくりと浮き上がり始める温度帯。泡は小さく、ゆったりとしたペースで発生します。

この温度帯は、火が通りにくい野菜や甘みを引き出したい根菜類に最適です。たとえば、さつまいも・ごぼう・れんこんなどは、じっくり加熱することで甘みが増し、ホクホク食感に。

また、食材の水分が急激に抜けないため、内部までやさしく熱が入り、焦げにくいのが特長です。

170〜180℃(中温):途中まで沈んでふわっと浮く

衣がすぐには沈まず、途中でふわっと浮かび上がり、泡がシュワシュワと出てきます。揚げ物の音もしっかり聞こえるようになります。

この温度帯は、最も使いやすく、一般的な揚げ物の黄金ゾーン唐揚げ、エビフライ、天ぷら、春巻きなど、衣をカリッと仕上げたい料理にぴったりです。

外はサクサク、中はジューシーに仕上げられるベストな温度帯なので、「迷ったらこの温度帯」と覚えておくと便利です。

190〜200℃以上(高温):落とした瞬間浮き、激しく泡立つ

衣を入れた瞬間に浮かび、パチパチと激しい泡が広がる状態。油の表面には勢いのある泡が次々と立ち、強い揚げ音も聞こえます。

この温度帯は、表面を短時間でカリッと仕上げたいときに使います。たとえば、白身魚のフライやコロッケの二度揚げ、冷凍食品の再加熱など、衣がしっかりしていて中まで火が通っているものを“仕上げる”のに適しています。

ただし、水分の多い食材を入れると油がはねやすくなるため、火傷に注意しながら少量ずつ調理しましょう。

この4段階を覚えておけば、温度計がなくても安心して調理できます。

おさらい

  • 衣が沈みっぱなし → 150℃以下
  • ゆっくり浮く → 150〜160℃
  • 途中で浮く+シュワシュワ音 → 170〜180℃
  • 落とした瞬間に浮いて泡パチパチ → 190℃以上

うまく揚げるための実践ポイント

衣はその都度つくる

油温チェック用の衣は、使う直前に少量だけ作るのが基本。時間が経つと小麦粉のグルテンが徐々に変化し、衣の粘度や重さが変わってしまいます。

その結果、「前より沈みが早い」など、同じ温度でも反応が変わってしまうため、油温の判定が不正確になってしまいます。少量(小さじ1ずつなど)を目安に、その場で混ぜて使いましょう。

食材は少量ずつ

一度にたくさんの食材を入れると、油の温度が一気に下がってしまいます。これにより、衣がべちゃっとしたり、食材が油を吸いすぎて重くなる原因に。

特に冷たい食材(冷蔵庫から出したばかりの肉や魚)は、油温に大きく影響するため注意が必要です。

揚げ物は2〜3個ずつを目安に、余裕をもって調理しましょう。

火力調整で温度を維持

食材を入れた瞬間、油の温度は必ず下がります。このとき火力が弱いままだと、そのまま低温に落ち込んでべちゃっとした仕上がりに…。

逆に、火を強めすぎると焦げやすくなるため、調整が重要です。

基本は、投入直後にやや強火、その後は中火〜中弱火に切り替えて、温度を安定させましょう。

泡の様子を観察する

揚げ物は「泡の変化」が最大のヒントです。揚げ始めは勢いよく泡が立ちますが、火が通り、水分が抜けてくると、泡は小さく静かになっていきます。この変化は、中までしっかり火が通ったサイン

また、泡がなくなる直前まで揚げ続けると、カリッとした仕上がりになります。

ただし、泡が出なくなったあとも長く揚げると、焦げやすくなるので注意しましょう。

油選びと後片付けのポイントも大切に

よく揚げ物をするご家庭には「キャノーラ油」や「米油」がおすすめです。加熱に強く、クセが少ないので使い勝手がよい油です。

また、再利用する場合は酸化に注意。高温になりやすいため、使用前には衣チェックで温度を再確認しましょう。使用後の油は、粗熱が取れてから紙フィルターなどでこして不純物を除去すれば、数回使うことも可能です。

今日から試せる!“衣チェック”で失敗しない揚げ物作りを

油の温度は「衣の動き」で簡単にチェックできます。温度帯ごとの特徴と食材の相性を知っておけば、失敗しない揚げ物が誰でも作れますよ。今日からぜひ実践してみてくださいね。