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2025.09.15

管理栄養士が教える|香ばしい照り焼きダレを作るコツとは?

調理の保存とコツ

管理栄養士が教える|香ばしい照り焼きダレを作るコツとは?

「照り焼きは好きだけど、なぜか香ばしさが足りない気がする…」そんなお悩み、ありませんか?実は、あの“食欲をそそる香ばしさ”には科学的な仕組みがあるんです。

今回は、家庭でも簡単にできる「香り高い照り焼きダレの作り方」を、管理栄養士の視点からわかりやすくご紹介します。

香ばしさの正体は「メイラード反応」

照り焼きの香ばしさのカギを握るのが「メイラード反応」と呼ばれる化学変化です。これは、糖とアミノ酸が高温で反応して、香ばしい風味や焼き色を生み出す現象。パンの焼き色やステーキの香りも、この反応によるものです。

照り焼きダレでは、みりんに含まれる糖(グルコース)と、醤油のアミノ酸が反応して、芳ばしい香りが生まれます。つまり、香りの決め手は「材料の組み合わせ」と「加熱のタイミング」にあるのです。

まず押さえたい基本の材料と役割

照り焼きダレのベースは、たったの3つ。

  • 醤油:うま味と塩味の要
  • みりん:甘味と香ばしさの素(グルコース含有)
  • 砂糖:甘味を補い、味にコクを加える

ここで重要なのが「本みりん」を使うこと。“みりん風調味料”では糖の種類や含有量が異なり、香ばしさが出にくくなります。

香りを引き出すために意識したいポイント

照り焼きダレの仕上がりを左右するのは、味の濃さだけではありません。食欲をそそる香りをまとわせるためには、材料の選び方と加熱の仕方がとても重要です。ここでは、家庭でも実践できる香ばしさの出し方を詳しく見ていきましょう。

みりんと醤油の組み合わせはマスト

みりんに含まれる糖(グルコース)と、醤油に含まれるアミノ酸が反応することで、食欲をそそる香りが生まれます。砂糖だけでは香りの深みが出にくいため、必ず“みりん+醤油”の組み合わせを使いましょう。

高温でサッと煮からめる

メイラード反応(香ばしい焼き色と香りの元)は120℃以上で活発になります。

肉を焼いたあと、強火でタレを一気に煮詰めると、香りが際立ちます。煮詰めすぎると苦味や焦げの原因になるので、短時間で仕上げるのがコツ。

タレ単体も加熱して香りを引き出す

漬けダレや作り置きのタレも、使う前に一度火を入れると、香りが立ちやすくなります。冷たいままでは風味がぼやけるため、ひと手間かける価値があります。

すぐ試せる!黄金比と実践テク

コツがわかったら、あとは台所で試すだけ。ここでは、失敗しにくい配合の“黄金比”と、照り焼き料理をぐっと美味しくするための調理手順のポイントをまとめました。

照り焼きダレの黄金比(基本)

醤油:みりん:砂糖 = 2:2:1

これをベースに、甘さを控えたい場合は砂糖を少し減らしましょう。

おすすめの手順

  1. 肉や魚をこんがり焼く(表面にしっかり焼き色をつける)
  2. 余分な脂をペーパーで軽く拭き取る
  3. 弱火にしてタレを加え、強火で一気に煮からめる

こうすることで、香りも照りもばっちり決まります。

材料・道具を選ぶときのポイント

香ばしい照り焼きに仕上げるためには、調理の手順だけでなく使う材料や道具の選び方も見逃せません。

材料・道具選び方のポイント
醤油濃口醤油ならうま味と香ばしさが強調される。薄口醤油は色を明るく仕上げたい料理に◎
みりん「本みりん」を選ぶ(糖とアルコールが香りのもと)
砂糖上白糖は万能、きび砂糖ならコクをプラス
鍋・フライパン厚手のフライパンで、焦げ付きにくく温度が安定

照り焼きダレは“香り”で差がつく

照り焼きダレを香ばしく仕上げるコツは、本みりんを使い、120℃以上でしっかり煮からめること。定番のレシピでも、ちょっとした工夫でプロの味に近づきます。ぜひ今日の夕食で試してみてくださいね。